自由進度学習にチャレンジしようとする教員にこんな質問を受けた。
『任せても学習に取り組めない子どもをどうすればよいか』
多くの教員が悩むところである。
私もずいぶん考えた。
若い頃は全員に同じように力をつけなければと考えることもあったが、経験を重ねた今は
『その子に合わせて決めればいい』
と思っている。
そして、それも子どもが決めればいいと思う。
教師は子どもにアドバイスをしたり、選択肢を与えたり、より学びやすい環境作りをしたりして、あとは子どもに決めさせる。
決して学ばない子どもを見捨てるのではなく、その子が学べるように支援をしていくのだ。
今まで全く取り組まなかった子どもが1問でも2問でも取り組めば大きな成長なのだから、それを価値付ければよい。
自由進度学習で学ばない子どもがいた時に
『やっぱり任せてはだめだ』
なんて言う教員もいるが、その子は自由進度学習だから学べないのではなくて、そもそも一斉授業の中で学ぶことを諦めた子たちなのである。
この話をした時に冒頭に述べた教員が
『それを聞いて安心しました』
と言ったのが印象的だった。
教員はみんなが同じように同じだけ学べるようにしないといけないと思っていて、それが子どもも教員も苦しめているのである。
『みんな同じに』
という考えを外すだけで多くの子どもと教員が楽になるのではないだろうか。