借りていた、彬子女王「赤と青のガウン オックスフォード留学記」(PHP文庫)を読了した。
彬子女王は、学習院大学を卒業後にオックスフォード大学に5年間留学し、皇室初の博士号を取得されたらしい。その内容について月刊誌に連載していたものが2012年に刊行され、文庫化されたのが本書である。
率直になかなかのエッセイストだと感嘆した。文章は非常に読みやすく、ユーモアもなかなかのものである。文章表現も良い。
25章に分かれているのだが、それぞれに四字熟語のタイトルが付けられている。それぞれにいくつかの出来事が書かれていて、それらがうまい具合に構成されている。論語等から引かれた言葉の意味にピッタリの内容となっている。その知識にもまず驚いた。
普段は護衛されていて、したくても1人では行動できない状況にあった。それが異国の地で初めてのたった1人での経験である。最低限英語の勉強から始まり、高度な専門的な研究をしてきている。そのバイタリティにも驚かされた。
日常のトラブル等にも触れられているが、極めて普通で身近な事柄が書かれていて、勝手に親近感が増した。
研究途中での奇跡の大発見等も書かれており、控えめに見ても一流の学者であると思えた。
連載途中に父・寛仁親王が薨去され、それに伴い著者自身の希望で特別寄稿した文章も掲載されている。これが非常に胸を打たれる文章で感動した。
特別な身分でもあり、想像できないようなことが様々あったはずである。しかし格別嫌なことは書かれていない。嫌なことは忘れるポジティブな人格者であろう。懸命な努力等にも嫌味な部分はまったくなく、良い人柄が想像できる。勝手に尊敬した次第である。また、様々な不思議な縁が広がる様子にも驚かされた。偶然の出会いが多く、またそれを生かされている感じである。
とにかくとても上手くて面白かった。