借りていた最相葉月「セラピスト」(新潮社)を読了した。
有名ライターが、臨床心理士等のセラピストや一部患者に対して取材したノンフィクションである。
知識のなさから誤解していたセラピーについて色々と学ぶことができた。特に亡き河合隼雄が牽引していた箱庭療法や風景構成法、そしてユングや夢診断等については目からウロコの数々だった。
出版されたのが2014年である。その時点ですでにそれらは二昔前の手法となっていたらしい。認知行動療法が隆盛となっていること、時間をかけられないほど患者が急増していることなどが挙げられている。また、患者の症例の変化にもすでに執筆時より前に指摘されていたようだ。曰く、対人恐怖症や赤面恐怖症になるより、完全に引きこもったり犯罪に走るという両極端になっていると。
河合俊雄氏は、増えつつある発達障害について少し触れていたのだが、出版から12年後の今は逆に急増しているのもやや驚きである。彼らの治療は有用ではない疾患なのだろうか? オレとしても自分がもう少しは生きづらさを減らしたいと思うもであるが…。
ラストには著者も自身の症状について明かされていた。セラピストも著者も超一流だと感じたのだった。とても興味深くて面白かった。