借りていた、金原瑞人編訳、佐竹美保絵「小さな手 ホラー短編集4」(岩波少年文庫)を読了した。
 

 8つの短編を収めたアンソロジーである。
 

・W・W・ジェイコブズ「猿の手」:非常に有名な短編で名前だけは知っていたが、読んだのは今回が初めてである。3度願いことが叶うという不気味な猿の手。確かに非常に短い話ながら上手いと思った。
 

・トルーマン・カポーティ「ミリアム」:「ティファニーで朝食を」や「冷血」で知られる作家の短編。ある老婆の所に、老婆と同じ名を持つ謎の少女がやってくる。とにかく無気味で意味が分からない話だった。
 

・アンブローズ・ビアス「月明かりの道」:3人の証言で謎の事(出来事)が語られる話である。まあうまいと思った。同時期のO・ヘンリーと同様に短編ホラーの名手とされていたらしく、それも頷けた。これを読んで芥川が「藪の中」を書いたと言われるらしく、なるほどと思った。
 

・W・F・ハーヴィー「五本指の獣」:おじの手首から上が襲ってくるというホラー。
 

・ブルース・コウヴィル「首を脇に抱えて」:徴兵された主人公が戦争反対を唱え、見せしめに国王に首をはねられた。しかしなぜか息を吹き返す。それから王に対して反戦を訴えて…とう話。児童向け作家らしい希望を感じる、どこかユーモラスな作品だった。
 

・ローバト・ルイス・スティーヴンソン「死体泥棒」:「ジキルとハイド」や「宝島」で知られる作家の短編。昔の医大生の解剖実習に遺体を用意する話。遺体が足りなくて殺人も起こるという実話を基にしたホラー・スリラーだった。
 

・アーサー・キラ-クーチ「小さな手-ペティットおばさんの幽霊話」:非常にほんわかする話で、ホラー短編集の中ではやや浮いていたが、良い話だった。
 

・ラドヤード・キプリング「子どもたち」
 子供向けで、訳者のあとがきも非常に丁寧でった。買うほどではなく、図書館で借りられて良かったと思う。