借りていた吉森保「生命を守るしくみ オートファジー 老化、寿命、病気を左右する精巧なメカニズム」(ブルーバックス)を読了した。
非常に分かりやすかったが、門外漢のオレには何度も読み直す場面もあった。いくつかメモしておきたいと思う。
細胞の中には、膜でできた袋がたくさん詰まっている。それらの袋をオルガネラ または細胞小器官と呼ぶ。
オルガネラを持つのは真核生物のみである。細菌、古細菌の原核生物にはない。進化の過程でオルガネラがつくられるようになった。
オルガネラは独立して働いているが、互いに物質のやり取りも行っている。オルガネラ間の物質輸送システムをメンブレントラフィック(膜輸送)という。
メンブレントラフィックの四大経路が、分泌経路、エンドサイトーシス経路、生合成、そしてオートファジー経路である。
分泌経路は、細胞の中から外への経路である。
エンドサイトーシス経路は細胞の外から中への経路である。細胞膜の一部が内部に突出し、輸送するものが入った小さな袋がちぎり取られる。その輸送小胞がエンドソームというオルガネラに結合し、運んできたものを渡す。エンドソームでは物質の選別が行われ、行き先が決められる。物質の多くは最終的に、様々な分解酵素を含んだオルガネラであるリソソームに運ばれる。そこで分解されてアミノ酸となり、エネルギー源となったり新たなタンパク質の材料になる。
ゴルジ体では糖鎖が付けられ、タンパク質が完成する。生合成経路は、そのゴルジ体からエンドソームへの輸送で、リソソームで働くタンパク質を運ぶのが主な役割である。
※オートファジー経路とは、細胞質にあるものをリソソームに運ぶ経路である。ミトコンドリアと小胞体が接するところで隔離膜が出現する。袋が潰れたものである。それがそこにある物質を包み込み、オートファゴソームとなる。二重の膜を持つ特殊なオルガネラである。それがリソソームと融合する。この状態をオートリソソームという。内部の物質が分解される。
※オートファジーには3つの主要機能がある。1つ目は栄養源の確保である。飢餓状態になった時、オートファジーにより細胞の成分を分解して栄養源を確保する。2つ目は、代謝回転である。飢餓状態でなく通常時に行われるオートファジーにより、細胞成分の新陳代謝が行われる。細胞の中はこうして新旧の物質が入れ替わっているが、全体としては変化しておらず恒常性が保たれている。これを動的平衡という。これを支える機能である。3つ目は、有害物の隔離除去である。
こうすると寿命が延びるということが、さまざまな動物実験から知られている。それらは寿命延長経路と呼ばれ、主なものが5つある。この経路のすべてでオートファジーが活性化されている。
年を取るとルビコンが増えてる。これはオートファジーを抑制するタンパク質である。