借りていた垣谷美雨「あなたの人生、片づけます」(双葉文庫)を読了した。
 

 「片づけ屋」大庭十萬里(おおばとまり)が、汚部屋に住む住人を手助けする4つの短編集である。話は当然、単なる片づけのみで終わるわけではない。それだとワイドショー以下である。十萬里は、住人の心の問題までも嗅ぎ取り、家だけでなくその人ひいてはその家族の問題をも解決に導くのである。
 

 ところで自分はどうだろうか? 部屋は幸いそれほどまずい状態でもないと思うが、本書を読んでいるとまだまだ不要なものを抱えているということに気付いた。書評家の吉田伸子が解説で書いている。十萬里が実際にいないのは残念であるが、我々の十萬里が本書であると結んでおり、まさにそうだと感じた次第である。
 

 最終作品では、人を亡くした悲しみについても多く割かれており、色々と考えさせられた。
 

 著者のいつもの作品のように、次々と解決に向かうさまは非常に小気味よく、あっという間に読み終えた。ちょっぴり感動するところもあり、とても面白く読めた。良かった。