著者の今村昌弘は85年長崎生まれで、岡大出身である。

 17年に「屍人荘の殺人」で鮎川哲也賞を受賞しデビューした。この作品はこのミスなど多数の賞に輝くヒット作となり、オレも読んで所有してる本である。ゾンビが出てくるのだがきちんとした本格ミステリーということでも話題になり、映画化もされた作品である。
 

 さて本作は、昨年9月に発売された、小学生の3人が村の七不思議とある殺人事件の謎を追うミステリーである。今回は怪異とミステリーの融合であった。決して子供向けのしょうもないものでなく、推理物として普通に楽しめる作品だった。
 ノックスの十戒や叙述トリックなどについても分かりやすく書かれている。またズッコケ三人組を読んでいた自分の少年時代を思い出すような懐かしさも感じた。決して荒唐無稽ではないミステリーであり、とても面白かった。もしかしてタイトルで損していないか?と余計な心配をするほどである。最後も良い結末だった。できればこの面々の続編にも期待したい。