昨年発売され購入していたものをやっと読み終えた。
 

 前半は、前作の続き(戦時中)から青森への疎開, そして戦争が終了して東京に戻るとこまでが描かれている。
 自分の想像以上の苦労があり、著者の狙い通りに戦争の悲惨さが分かった気がする。それでも生き延びる強さ, 特にお母さんのたくましさなどに心を打たれた。
 戦場に行く父親を見送るシーンでちゃんと見送れたことや、青森での空襲に遭わなかったことなど、やはり強運の持ち主だと再認識した。
 第3章では学生時代, 第4章では芸能界に入り、そして2年の留学へ旅立つところまでが書かれていた。
 

 自分が同じことに遭遇すればかなりの愚痴に終始するような場面においても、著者はそういう受け取り方をしない。全編を通しその心の優しさが溢れ出ており、自分の醜さが浄化されるかのような印象を受ける。前作とともに、とにかく読後は優しい自分になれた。これを少しでも持続させたいものだと思う。
 著名人など多くのエピソードにも驚かされたし、興味深いものだった。
 前作とは別物という感じであるが、これもとても面白い本だった。