今日、加藤幹郎著「荒木飛呂彦論」(ちくま新書)を読み終えた。
 本書は14年発売のもので初見である。
 

 オレにとって氏の代表作「ジョジョの奇妙な冒険」は、単純なパワーのハイパーインフレを起こさない点が圧倒的な魅力であり、好きなポイントである。そして、いち早く悪にもそれなりの正義なるものを描いた点や、独特なものの考え方, 諦めないプロの技の応酬, 独特な台詞回しやいわゆるジョジョ立ちなど、挙げればきりがないほどの魅力に満ち溢れたものである。
 

 本書には、オレが見てこなかったり気付かなかったりする指摘が多くあり、予想に反してとても興味深く読めた。特にコマ割りと三角形に猫, 波紋など水に関する論考など、胡散臭さを遥かに超えるなるほど納得の指摘だった。バロック絵画にも通ずる表現に対する指摘も、日曜美術館に氏が登場するなどの点から頷けるものだった。他作品も読み込んでの論考である。また各マンガを読み返さなければならない。
 

 とても面白い本だった。