Ringo MusicとCapricorn Recordsの比較
両者とも小さな田舎町から世界を目指した。
1970年代、拠点をメイコンに置いたThe Allman Brothers Band
1970年代米国ジョージア州メイコン(規模的には人口20万人都市くらいの田舎の小都市といった感じの街)にオーティス・レディングをマネージメントしていたフィル・ウォルデンによってCapricorn Records(レコード会社)を起こし、サザン・ロックと呼ばれるグループを多く輩出します。
アメリカ南部のサウンド(ソウル、R&B、カントリー)をバックボーンに地域のサウンドを特色としていました。
ロサンゼルスやニューヨークの大都会からではなく一地方都市からの音楽発信です。
ジョージア州メイコンにCapricorn Recordsの本社があった
一方、地方都市からという点で共通するのがRingo Musicです。Ringo Musicは青森県弘前市(人口16万)という小さな町で樋川新一氏によって2000年に設立されています。Ringo Musicは地元の少女たちを育成しガールズ・グループとして活動しています。2018年東京からソングライターでプロデューサーの多田慎也氏がRingoMusicに加わるために移り住み、青森という地域の色を全面に出した楽曲(津軽弁でほぼ分からない曲もあり、訳が必要になる)を多く制作しています。
青森県弘前市にあるRingo Musicの本社
Capricornはメジャー資本を入れ、業務提携としてディストリビューション(流通販売)はメジャーに任せました。スタジオを作りスタジオ・ミュージシャンを集め、所属アーティストはメイコンに移り住む者も多くいました。アーティストはライブ活動をしていたグループと契約し、Capricorn自身はアーティスト・マネージメントはしていません、別会社のNo Exitという会社がマネージメントを受け持ちました。
Ringo Musicは楽曲制作とマネージメントを行なっていますが、ディストリビューションはインディーズという形を取っいます。現在はインターネット配信、通販などが発達しているので問題はありませんが、大々的にプロモーションをかけるならばメジャーとの提携(宣伝、販売)も必要かもしれません。
青森から世界を目指すRingo Music所属のRINGOMUSUME
この両者の時代、場所・音楽形態は異なるものの、音楽の発信という意味では不利なマスメディアの集中していない田舎の小都市に拠点を置いたという共通点は、両ムーブメントを目撃している者としてRingo Musicの動向をこれから注目せざる得ません。