安西水丸氏が初めてジョージア州アトランタの「ワールド・オブ・コカコーラ」を訪れた時の話です。
⏤僕は入口を通りぬけた。まっすぐ進むと正面の壁に大きくコカコーラのボトルをかたどった板が掛かっていた。ボトルの口には顔が描かれ、ボトルのくびれたあたりに「Coca Cola」の文字が入り、まわりには赤い屋根の家があり、木立があり、その上を無数の天使が飛びかっている。
僕は一瞬にしてその絵に引き寄せられた。
「好きですか?」野田さんが言った 。「これはアメリカのフォークアートですかね。大好きです。」僕 は言った。「この絵の小型にしたのを持っています」野田さんが言った。どうしてとおもったが、ぼくはただただうらやましかった。その後はフォークアートに話が集中した。絵の作者はハワード・フィンスターといい、今や大変な人気の画家だと野田さんが説明てしてくれた。この本は紛れもなく、フィンスターさんの絵がきっかけではじまった。⏤安西水丸著「アトランタの案山子、アラバマのワニ」(1996年発行)より。
このCoca Colaの絵をきっかけに安西氏のフォークアートの旅が始まっている。この時、既に私は札幌にフォークアートのギャラリーを開いていた。安西氏は1996年(この時は私も同行している)と2003年(NHK-BS 「わが心の旅 アメリカ 子供のまなざしがボクの絵」)の2回アメリカのディープサウスのフォークアーティスト訪問の旅をしている。
この作品はシルクスクリーンなのだが、Coca Colaの瓶の形をした板に描くのがメインの作品なので、結構レアな作品であると言えるだろう。詳しくは下記をクリック