お疲れさまです。





本日で1週間の授業が終わりました。







非常に濃かったです。あまりにも詰め込みすぎたので、帰国して整理しないとダメですね。







さて、今回のセッションで最も驚いたことのひとつが、リーダーシップクラスの質の高さでした。







定性的なリーダーシップ論ではなく、心理学、行動科学的なアプローチで、リーダーとして、マネージャーとしての考え方を、データとケースを基に学ぶというものでした。







正直リーダーシップの授業にはまったく期待していませんでした。シカゴは定量的分析に強みを持つ学校だし、そもそもリーダーシップは個人的な強みだと思っていましたので、あまり学ぶこともないかと。







ただ、教授がスゴ過ぎた!






Nicholas Eplay教授。専門は行動科学。


http://www.chicagobooth.edu/faculty/bio.aspx?person_id=12824795136




Nicholas Epley




1996年:Saint Olaf Collegeにて心理学と哲学の学士号を取得


2001年:Cornell University にて心理学の博士号を取得(Graduate Teaching Award from the Department of PsychologyとCornell University Teaching Fellowshipを受賞)


2001年:Harvard UniversityのAssistant Professorに就任


2004年:Chicago Boothの教授に就任




大学までアメフトをやっていて、学部を卒業後、5年で博士号を取得したようです。早いですよね。







何がすごいって、授業の進め方が半端じゃない!







時計の針が2時を指した瞬間にトップギアになり、一瞬で学生の心を掴みます。まさに人間が変わるのです。




時に叫び、時に踊り、学生をいじりながら、シニカルなギャグを飛ばし、下ネタすらかましながら、あっという間に90分が経過します。







みんな睡眠時間が3~4時間だったりするわけですが、完全に目が覚めますし、インタラクティブな空気は圧巻です。







そして、ただ奇抜な授業を続けるだけではなく、明確なデータと圧倒的な知識量で、非常に説得力のあるコンテンツを届けてくれます。







"Most people are intuitive psychologists in their daily lives."が彼の口癖です。







直訳すると、「大半の人は、日々の生活において直感的心理学者である」ということです。







人間は数え切れないほどの決断を毎日迫られており、無意識に直感的な心理学的判断をしているというものです。そして、そのメカニズムは科学的に解明できる、と。







また、彼はマネジメントやリーダーシップはすべて"Manipulation"、つまり「操作」だと言ってのけます。良くも悪くも確かにそうかも。。。歓迎会、送別会、タウンホールミーティングなど全部そうだもんね。一体感という空気を操作して作り出している。




彼から学んだことを6つにまとめます。




1, Power of situation matters a lot




2, Social beliefs creat social realities, objectively not true in many cases though







3, Identifying bias difficult, but critical to management







4, Abandon egocentrism - ask others







5, Cynicism kills the norm in both positive and negative ways







6, Perception is not reality, go beyond it




僕はリーダーシップを考える場合に「人間」を中心に考えてきました。しかし、彼が言うのは「環境」に影響を与えることが大切であり、それで人の考えと行動はいくらでも変わってしまう、というものでした。




「人間」にばかりに注目していると、主観的で恣意的な判断をしてしまうのは明らかです。だって、好き嫌いとかあるだろうし。また、組織全体のことを考えると、結局は環境を変えたほうが、総和としての変化は大きいし効率的ですよね。




悪い例はヒトラーなどですが、人間は環境次第でとてつもない悪行が出来てしまいます。色々な思い込みでおかしな行動をとってしまいます。もちろん、逆もしかりです。




この8月に今の会社を退職し、新しい会社の社長になる方と、2年ほど前に個人的に話を聞いたことがありました。彼は誰もが認める非常にカリスマ性がある人ですが、その時の彼の言葉を思い出しました。




「人事は科学だ」と。




国際的な組織で、多様な人材がいる組織であればあるほど、主観的な発想で人を評価してはならないし、出来ない。




客観的な尺度で評価をするのは当たり前だが、それ以上に、科学的なアプローチでベストな環境を意識して作り上げることがリーダーには求められる。





非常に勉強になった。マジで。




細かくは書きませんが、リーダーがしなければならないことは「環境」を作ることだと、改めて感じました。




そこにはテクニックが存在し、カリスマ性といった定性的、且つ誰もが習得できない能力で勝負が決まるのではなく、しっかりと学び、メカニズムを理解して実践することで、人と組織に影響力を与えることができる、と確信しました。




改めて勉強したことを整理し、次は実践ですな。






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