こうしているうちにまたしても平凡な1日が過ぎていく。


帰り道自転車に乗った僕は流華の事を考えていた。


とても寒く、しかし何故か心は暖かい。


僕は久しぶりに自転車を思い切りこぎたくなり精一杯ペダルをこいだ。


あっという間に家に着き、いつものように自転車置き場に自転車を止め郵便ポストを覗いた後、部屋へと入る。

僕は大学から自転車で20分くらいの所にアパートで1人暮らしをしている。


角部屋で僕はこのアパートが凄く気に入ってる。


部屋の中がごちゃごちゃするのは嫌いなので、部屋には必要最低限の物しか置いていない。


1番のお気に入りは1週間ほど前に買った薄型液晶テレビだ。


薄型という事もあり値段のほうは結構なものだったが、日頃からあまり外食をせず自炊をして節約をしてきた僕へのプレゼントだ。


今日も昨日買っておいた鯖(さば)で煮付けを作った。


いつものようにコタツの椅子に座り、お気に入りのテレビを見ながらご飯を食べていると、カバンに入れっぱなしにしていた携帯電話がなった。


そこには知らない番号。


「誰だろう?」


僕は独り言を呟きながら恐る恐る電話に出てみる。


「…はい。」


向こうからの返事はない。


「誰ですか!?」


もう一度僕は見知らぬ相手に向かって声をかけた。


「あの~種本です。」

僕は食べていた鯖を骨ごと思い切り飲み込んでしまいむせてしまった。


「伊藤君だよね?」


電話の向こうで彼女は僕に呼びかけ続ける。


鯖の骨が喉にひっかかった僕は喋る事ができない。


「番号松浦君から聞いたの。急に電話なんかして嫌だったよね?特に用事がある訳じゃないから…ごめんね。」

ようやく喉にひっかかっていた骨がとれた僕は慌てて返事をする。

「ごめんご飯食べてたから。」


骨がひっかかっていたなどとは言えず冷静なふりをして言葉を返す。


「また急にどうした?てか今日の提出物ありがとな!」


いつも流華の目を見るとあまり話せない僕が電話ではスラスラと話せ自分でも少し驚いた。


「全然いいよん♪松本先生本当は気づいてただろねぇ~>_<てか今日私が言った事ちゃんと覚えてる?」


僕は初め何の事か分からなかったがすぐに思い出し言葉を続ける。

「あったり前よ!てか俺となんか行っても楽しめるかな?なんならクラスのみんなで行く?」