http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081128-00000006-fsi-bus_all

 昨年10月の郵政民営化で発足して1年余りが経過した日本郵政グループが揺れている。同グループが28日発表した2008年9月中間決算は、郵便事業会社の赤字転落が響き、連結最終利益が3月期に比べて2割近く減少した。09年3月期の最終利益予想も、民営化後の青写真を描いた事業承継計画を下回る。業績低迷は与野党で再燃する民営化の見直し論議を勢いづかせ、改革を後退させる恐れもある。

 「当初の半年は、民営化直後の混乱で十分営業に力を割くことができなかったが、ようやく、この上期になって正常化した」。持ち株会社の日本郵政の西川善文社長は同日の会見で、9月中間決算の業績に満足感を示した。

 傘下の郵便事業会社が赤字に落ち込んだものの、郵便局会社、かんぽ生命保険が3月期から大幅増益となったためだ。特に、全国2万4000の郵便局を束ねる郵便局会社は、3月期の最終利益が計画比7割減の46億円と低迷し、先行きが懸念されただけに、西川社長は「グループ各社が連携して、営業力の強化に取り組んだ成果」と安堵(あんど)感をみせた。

 毎年10兆円規模で減っていた貯金残高の減少幅が縮小し、落ち込んでいた保険の新規契約が3月期比で5割増となったことも好材料だ。

 一方、郵便事業会社の業績悪化は、郵便物やゆうパック(郵便小包)の取り扱いの減少に加え、郵便事業の収益が、年賀状の販売が大きな割合を占める下期に偏る傾向があるのが要因だ。西川社長も、「民営化前から、郵便事業は上期に赤字となることがあった」と説明し、09年3月期の最終利益は470億円の黒字を見込む。

 もっとも、09年3月期の業績予想は、郵便事業会社を除くグループ各社で、民営化前の事業承継計画を軒並み下回っており、思惑通り民営化が収益向上につながっていないのが実情だ。西川社長も「民営化前の前提と現実の間に大きな乖離(かいり)があった。やむを得ない」と成長の遅れを認める。

 民営化による効果が見えない中、与野党から民営化の見直し論議が浮上していることも郵政の先行きに影を落とす。

 ゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社は、10年度にも株式上場する計画だが、現在の株式相場の低迷を受け、麻生太郎首相が株式売却の凍結に言及し、与野党ともに4事業会社のグループ体制の見直しなどを求める動きが相次ぐ。

 西川社長は「早期上場が可能になるよう準備を進める」と、こうした動きを静観する構えだが、今後、郵政が目立った成果をあげられなければ、見直し論議に火がつく可能性もある。(本田誠)
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