http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081118-00000007-fsi-bus_all
世界的な金融危機で欧米に比べて比較的被害が軽微だったとされる邦銀も、これまでの攻めから一転、守りに入る。18日出そろった大手銀行6グループの2008年9月中間連結決算は、最終利益の合計が前年同期比で半減以下に縮小し、通期業績も期初計画に比べて大きく減少する見通しだ。景気後退による融資先の経営悪化や倒産で不良債権処理損失が増大したほか、株価急落も響いた。3メガバンクは欧米勢への大型出資などを積極化させてきたが、金融危機の深刻化に伴う業績悪化で海外進出も“足踏み”を余儀なくされている。
≪海外進出足踏み≫
「米証券大手モルガン・スタンレーへの出資は、投資銀行業務への評価は難しいが、いずれは(経済の)異常な状態が落ち着くはずだ。実体経済を反映した動きに戻れば、投資銀行のニーズも出てくる」
18日、中間決算を発表した三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の畔柳信雄社長は、総額約90億ドル(約9000億円)を出資したモルガンへの評価をこう述べた。
ただ、三菱UFJに限らず、9月中間決算では、経営の健全性を示す3メガバンクの自己資本比率が軒並み低下。10%超の健全な水準を維持しているものの、株価下落に加え、不良債権の増大も進行しているとみられ、自己資本が一層目減りする懸念はぬぐえない。
これに対応し、メガバンクは海外への大型出資を一時見合わせ、増資など守りの姿勢を強める。三菱UFJFGは合計約1兆円、みずほFGは最大3000億円の増資をそれぞれ発表済みだ。三井住友FGも議決権のない優先出資証券での増資を検討している。
それでも、3メガバンクは海外市場への意欲はなお失っていない。三井住友FGの北山禎介社長は「成長分野としてアジアを重視している。時間を買う必要があると判断すれば出資や合併などを行う」と前向きだが、まずは経営体力を整える必要に迫られているといえる。
業績悪化の最大の要因は不良債権処理損失の急増だ。世界同時不況の様相が強まり、日本も輸出の減少や個人消費の低迷で企業業績は軒並み悪化。東京商工リサーチによると、08年度上半期(4~9月)の倒産状況は負債総額が前年同期比約2.9倍の8兆6560億円にのぼった。大手行も融資先の倒産による焦げ付きの多発に加え、貸し倒れに備えた引当金の積み増しで収益が圧迫されている。
金融市場の混乱も追い打ちをかけた。世界的な株安で、上期は6グループで保有株の評価損の処理などに計1602億円を計上した。その後も、日経平均株価は10月27日にバブル経済崩壊後の最安値を更新するなど、一段と下落している。保有株の全体が含み損に転じる株価水準は、三菱UFJFGが9000円程度、みずほFGが9500円、三井住友FGが7000円台半ばとされ、10~12月期決算で追加損失の処理を迫られる恐れもある。
業績悪化で経営体力が低下すれば、企業に供給する資金の蛇口が細る可能性もある。
≪二律背反の難題≫
バブル崩壊後、邦銀は不良債権処理に追われ、貸し渋り・貸しはがしが横行した。日本経済の「失われた10年」と呼ばれる長期低迷の一因になったとされる。三菱UFJの畔柳社長は「中小企業金融の円滑化は基本的に大事だが、株主からはリスク管理の慎重化を望む声もある」とジレンマを隠さない。邦銀はリスク管理の徹底と資金供給の円滑化という二律背反の難題を背負っている。(本田誠、三塚聖平)
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情報商材レビューbyKTA