こんにちは。スタッフの渋ドルです。

昨日、初台オペラシティでの松原混声合唱団の演奏を聴きに行きました。
松原混声合唱団は日本有数のアマチュア合唱団で、定期演奏会は不定期※に行われてましたが、コロナの影響で前回から四年半ぶりに開催する事が出来ました。

当日演奏されたものの一つが、タイトルの「鳥獣戯画」。
作曲家間宮芳正氏が映画「鳥獣戯画」のための作曲した曲に端を発し、間宮氏が合唱用に作曲。
その映画「鳥獣戯画」は、松川八州雄監督が絵画「鳥獣戯画」甲巻から蛙の相撲等の絵をコラージュして作成したもので、
一言で云うなら、合唱「鳥獣戯画」は、制作されて800年経つ絵画「鳥獣戯画」を、オブジェクトとしての声と合唱で再表現しようと試みた野心作。

合唱「鳥獣戯画」は四つの楽章に分かれていて、其々合唱の枠にとらわれない声の多様さ、群衆の囃子、和洋打楽器で構成される。
第1楽章には華厳宗の生命、第2楽章には愛媛の田の草取り唄、第4楽章には新潟の綾子舞のうたを別途モチーフとして織り込まれている。



この難解な曲を、松原混声合唱団は見事にやり切りました!驚きの連続でした。
まず、コントラバスが太鼓の様な軽い音が出せるのが一つ目の驚き。
指揮者の幅広い感性と知識で、オブジェクトとしての叫びをも音楽の一要素として昇華していたのが二つ目の驚き。
そして歌う側lも、魂を爆発させた様な声のみならず、多彩な声で文字通り絵画の如く彩られていたのが三つ目の驚き。
演奏を盛り上げる、ホールの音響の良さが四つ目のの驚き。


この初台オペラシティの演奏に立ち会っていない人は、確実に人生を損しています(笑)。
とは言え、今回の鳥獣戯画を含めて計5つの組曲は、全てがマニアックな選曲。合唱の経験値が浅い方は演奏途中で眠たくなります。でも、鳥獣戯画だけは違いました。合唱の枠を突き抜けた、これぞアートな演奏でした。

二時間半近くの長丁場でしたが、優しくも芯のある松原サウンドは何時間聞いていても飽きず、終演後席を立つのが惜しい位でした。

続く
 

※7/22 松原混声の方からの御指摘で、訂正致しました。お詫び申し上げます。