今日からしばらく仕事で忙しいBeansさんに代わり、某大学の英語教師による指導法、Dictgloss(ディクトグロス)を報告しますね。

この教授法はBeans さんが推奨するdictation と似ている響きですが、ちょっと違うんですね。以下が手順です。

1.教師(私)がTOEICのリスニングパートのPart2や3の比較的短いパッセージを用意する。パッセージに
  でてくるだろう新出語彙をあらかじめ用意し覚えさせる。また、流れてくる内容の状況を簡単に説明す
  る。(特にTOEICはビジネス設定が多いので学生にはピンとこないから、どういうシチュエーションな
  のか説明)

2.CDの音声のナチュラルスピードでパッセージを聞かせる。この時点では、学生には内容を理解すること
  に集中してもらうためメモを一切取らせない。

3.話されていた概要がつかめたか確認したら、もう一度CDの音声のナチュラルスピードで同じパッセージ
  を聞かせる。この時メモを取らせる。しかし、話されたパッセージの一語一句を書き取ることはさせな
  い。知っている単語や先に覚えた単語や語句だけを書き留めるように促す。

4.その後、学生をペアにし、各自がとったメモや記憶をもとに、協力しながら流されたパッセージを再構
  築する作業をさせる。学生たちは断片的なメモと記憶を頼りに再構築するため、意味と言語形式に注意
  を向けなくてはならない。

5.最後に別のペアとグループになり、それぞれのペアが再構築したパッセージを比較・検討させる。更に
  クラス全体で元のパッセージとの比較・検証も行う。

ここで、ディクテーションとの違いだが、一語一句を書き取っていくのではなく、断片的なメモと記憶を頼りに元のパッセージを作り上げていくという点だ。内容は理解できたものの、いざ、流された文を英語にしようとすると難しいということに気づくでしょう。この、自分の言いたいことと、言えることの間にあるギャップに対する『気づき』こそが、英語学習で必要なことなんですね。

そこから、自分の弱点を知りそれを学習すれば自然な英語を身に付けられるというわけです。
この学習法はペアやグループワークをのぞいては、一人でも学習できることなので頑張ってやってみてください。手始めにTOEICのリスニングのPart 2からはじめてみては?