台風が近づいて激しい雨の帰り道。
電車に揺られながら、いつものようによだれをたらしながらがでそうになるのをおさえながら夕食のことを考える。

今晩の夕食用に、朝のうちに娘の好物の翡翠なすをつくって冷やしてきてある。
なすの皮をむいて塩水にしばらくつけておいたものを蒸したあと、ポリ袋にいれて袋の上から冷水でよく冷やし、あら熱が取れたらあとは冷蔵庫でよーく冷やしておく。
翡翠のようにきれいな薄い緑色になるので、『翡翠なす』。娘は「冷やしなす」と呼んでいるけど。

つめたい副菜がもうすこしたべたいなー、おっ、そういえば昨日職場の看護婦さんからいただいた丸々太った朝どりゴーヤーがあったんだった。これでいつものサラダを作ろう。

はっ、それにそれに、伏見とうがらしもあるんだったー笑い
おじゃこと炒めようっと。

お味噌汁はー、どんな具がいいかなああ

じゅる

あ、、、よだれが、、、

こんなことを考えているとあっという間に電車はついてしまう。

というわけで今夜の晩御飯は

$女医Aのあはは的日常-KC3Z0005.jpg十穀米ごはん
鯖の塩焼き すだち添え
翡翠なす
ゴーヤーとたまねぎのサラダ
伏見唐辛子のおじゃこ炒め
キャベツと油揚げのみそしる

みどり色のもんばっかり。
ペタしてね

「戦争中の暮らしの記録」

という、少々ボリュームのある本を読んでいる。


大きいので、普段のようにかばんの中に入れて通勤電車の中で読む、、というわけにはいかない。
娘を寝かしつけたあと、のこっていた家事も片付けいたところで、よっこらしょと本棚からおろしてきて心して読んでいる。

$女医Aのあはは的日常-KC3Z0003.jpg

読み進めていったなかに書かれている文章が、読んでいる最中に幾度となく頭をよぎる。

この日の後に生まれてくる人に、と題された一頁に記されたことを、私は確かに胸に刻み、娘に伝えていく。


●この日の後に生まれてくる人に

冒頭、略。
戦争の経過や、それを指導した人たちや、大きな戦闘については、ずいぶん昔のことでも、くわしく正確な記録が残されている。しかし、その戦争のあいだ、ただ黙々と歯をくいしばって生きてきた人たちが、なにに苦しみ、なにを食べ、なにを着、どんなふうに暮らしてきたか、どんなふうにしんでいったか、それについての、具体的なことは、どの時代の、どこの戦争でもほとんど、残されていない。
その数少ない記録がここにある。

いま、君は、この一冊を、どの時代の、どこで読もうとしているのか、それはわからない。君が、この一冊を、どんな気持ちで読むのだろうか、それもわからない。
しかし、君がなんとおもおうと、これが戦争なのだ。それを君に知ってもらいたくて、この貧しい一冊を、のこしてゆく。
できることなら、君もまた、君の後に生まれる者のために、この一冊を、たとえどんなにぼろぼろになっても、のこしてほしい。

『戦争中の暮らしの記録 保存版』暮しの手帖社 より抜粋

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いやー、まいった。


しびれた。


何に、って、倉本聰の本にだ。


倉本氏の本を読むのは久しぶりで、ずいぶん前にだされた「ニングル」、これ、読んでたっけー?と、ふと手にして最初のページをめくるなり、ぐんっと首ねっこをつかまれて本の中に引きずり込まれ、そこから出られなくなった。


夜だったから読書のお供に軽いお酒も飲みたいのに、お酒をつくりに立ち上がることはおろか、一章読み終わるまで姿勢を変えることもできないくらいだった。


夫に声をかけられてもページから目を離せず、うん、くらいしか答えられない。


頁をめくる手の動きが、その先を読みたい目の動きに監視されているようで緊張して震えてしまう感覚。


ひとりきりで読んでいても思わず漏れてしまう感嘆の吐息。


引き込まれる本を読むときまってこうだ。

久しぶりに味わう引き込まれる読書の快感に、23時までには必ず就寝という、破られることのそうそうない私の決め事はたやすく破られ、読み終えるまで夫がいつの間にか先に床に就いたことにも気が付かないでいた。


しかも、倉本聰ワールドから現実に引き戻されてもその余韻はすぐには冷めるわけもなく、しばらくは目が爛爛として眠れないのであった。

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