ジャガイモさん

第1話


ひとりのジャガイモさんがここに生まれました!


この世に生まれて来たとき、ジャガイモさんは完成した大人の身体になってます。人間にしたら20歳くらいでしょうか。生まれてからジャガイモさんは身体的な成長をしません。逆に言うと生まれてからは老いるだけの生活が始まります。

人間は老いると感じますが、ジャガイモさんには老いるという意識はありません。成長がないので老いの認識がありません。


生まれたとき、ジャガイモさんは一生分の栄養を身体に蓄えています。

空気がないと窒息してしまい、水がないと枯れてしますが、生きるために必要なのは空気と水だけです。人間のように食べるという行動はなく、吸う、飲むの行動だけがあります。

空気は無限にあると言って良いでしょう。水は1日に朝露2滴程度で充分足ります。食料や空気や水の奪い合いでジャガイモさん同士が争うとことはあり得えません。


同じ株から生まれた関係は兄弟、同じ土地で同じ時期に生まれた関係は従兄弟です。

ジャガイモさんには兄弟や従兄弟がたくさんいます。兄弟や従兄弟は皆知り合いで仲良しです。血縁であり同世代でご近所の幼なじみでもあります。ジャガイモさんはご近所さんでコミュニティを作って生活していきます。

お父さんお母さんがジャガイモさんにはいません。生まれたときからお父さんお母さんがいないのが当たり前なのでお父さんお母さんという存在が分からず、いないことが淋しいとも感じません。

ジャガイモさんの社会には学校も会社もありません。ましてや、行政や司法や立法などあるわけがありません。

社会的な組織がないので、ジャガイモさんのコミュニティは兄弟、従兄弟に限られてしまい、隣街のジャガイモさんに出会う機会もほとんどありません。小さなコミュニティで生活しているので兄弟、従兄弟は非常に仲が良いです。