少年サンデー連載中の『月光条例(藤田和日郎先生)』。
満月の光で狂ってしまった『青い鳥』の主人公:チルチル。
妹:ミチルを貧しさから救い出すためには・・・
「作者に頼めばいいじゃねえか」。
しかし、世界には自分達より悲惨な物語がある事を知る。
偶然迷い込んだ『雉も鳴かずば』では、
貧しいお菊父子の悲しい結末を変えられず絶望。
次の『マッチ売りの少女』では、その教訓を生かし・・・
現実社会から持ち込んだマシンガンと装甲車で、
「マッチ売り」を見殺しにした、父親と街の人達を射殺(T▽T)
他のおとぎ話からの追っ手を振り切るため、
なりふり構わず、手段を選ばず。
たったひとつの目的のため。
『アラビアンナイト』の世界で得た魔力により、
もはや「怪物」と化すも・・・
『西遊記』の孫悟空による「月光条例」執行と、
自らの魔力に耐え切れず爆発。
しかし、お菊とマッチ売りのかざした「うちでの小槌」により、
生き返る。
そんなチルチルに、マッチ売りは告げる。
「わたしね、元の『マッチ売りの少女』の中へ帰るよ」
今日は笑っていても、明日は泣いているかもしれない。
「ストーリー」の見えない物語を生きる「人間」たち。
そんな心の慰めになるなら。
「行かせるかよ、ばか!死んじまうんだぞ!」
「でも、チルチルも貧しくて、いつもつらかったって・・・」
「おまえと比べたら、そんなのつらさのうちにゃ・・・!」
「ほらね」
「私は<人間>の寒い心の毛布になるために生まれたの」
「そのためなら、何回だって凍えることができるの」
「いやだ・・・俺はお前を幸せにするんだ」
・・・ねえ、チルチル。
真っ暗でだぁれも助けてくれないあの夜に、
チルチルだけがあたしを見てくれた・・・
見てくれたから、あたし、力が出ちゃったんだ。
ゴメンね。
その中には・・・
満月の光で狂ってしまった恐ろしい姿ではなく、
チルチル絶叫。
ただ、幸せにしたかった。
『青い鳥』・・・それは、幸せを追い求める旅の物語。