窓の外を見ると、誰がどう見てもUFOとわかるような物体が飛んでいる。まるで作り物のようだ、いや作り物であって欲しいと思う。
「物騒な世の中になったものねぇ。早く学校の準備なさい、遅刻するわよ~~。」
のんきなものだ。
「あんな得体の知れないのが飛んでるなか学校いけっつーのかよ?」
「あんた、死ぬかもね。」
母は笑っている。母は冗談はいうが嘘は言わない。その見分けをつけるのは、母とともに17年間生きてきた僕でも難しい。
「冗談じゃない。」
とだけ返し、家を出る。
僕は母に育てられた。兄弟もいないし、父親すら見たことがない。一度、父のことについて聞いた時、
「ここにはいない。たぶんいつか会うと思う。」
と言うだけだった。母は嘘は言わない。なのでこの言葉だけで充分だった。どこかで生きているんだし、またあえるらしい。二人きりの生活に大きな不満はなかった。
学校につき、教室のドアを開けるといつもよりざわついていた。あんなニュースを見てしまったら当然だろう。それにしてものんきなものだ。不登校1人を含め休みが4人とは・・・・
皆が口々に朝のニュースについて話していた。聞くと、宇宙人だとか、軍の新兵器だとか、映画の撮影だとか、テロだとか、様々なデマが流れていた。
「クロ~、来ないかと思って心配したゾ♡」
クロは僕の名前だ。白尾 黒でクロ。朝から気持ち悪いのが、東条正輝と言う僕の気の許せる友達だ。
「マサ・・・・。朝から気持ち悪いぞ。」
「アリガトーッ♡」
彼は頭のネジが飛んでいるのか、僕の言葉が褒め言葉に聞こえるらしい。
「クロの愛しの彼女も心配してたゾッ♡」
僕は母に言われずとも学校に行くつもりだった。彼女が心配だったからだ。
友達と話していた彼女に声をかける。
「美琴、大丈夫だったか?」
彼女は僕に気づいた。彼女は神山 美琴。僕の幼馴染だ。美琴は昔からちょっと抜けたところがあるので心配だった。
「クロこそ平気?あの船みたいなの普通じゃないでしょ?」
彼女は抜けてはいるが勘はいい。僕の不安は大きくなる。
彼女との会話を終え、マサをトイレに誘う。
「あれ~クロ君、連れションですか!?僕と一緒じゃないと寂しいですかぁwww」
煽りを無視して、本題に移る。
「あれ、地球のものじゃないよな?」
「・・・・。そーすね多分。調べてみたけど、地球の技術じゃあんな動きする物作れんよ。」
彼は頭のネジがはずれているせいか頭が非常にいい。IQが凄まじく色々な学問に精通している。天才と狂人は紙一重とよくいったものだ。
そいつが言うのだからそうなのだろう。不安は更に膨れ上がる。
そのとき、チャイムが鳴り放送が入る。
「生徒の皆さん、体育館にお集まりください。」
「誰の声だ・・・・?」
「少なくともこの学校の先生の声ではないゾ」
不安は僕にのしかかった。重い足を動かし体育館に着いた。壇上にいたのは「人」ではなかった・・・・

なんか虫っていい感じに気持ち悪くて魅力的だよね。
