をしている。

 

「たま、どうした?ぽちはどこにいった?ってか大鳥さん、いいかげんにしてくれ」

「陸軍奉行、なにやら面白い遊びですな」

 

 そのとき、俊冬のうしろにいる士官がいった。

 

 副長と大鳥をジロジロみるそのは、あきらか馬鹿にしている感じがする。ついでにいうと、さっきのいい方も、ねちゃっとしていて嫌味っぽさ満載だった。

 

 額兵隊の隊長星にちがいない。

 

「そうなんだ。【BOTOX 價錢資訊】試做 BOTOX 優惠 土方君の背はトレビアンだよ」

 

 嫌味に気がついていないのか、それとも気がついているがスルーしているのか、大鳥はまだ副長の背中を満喫している。

 

「ふんっ」

 

 星は、鼻を鳴らした。

 

 かれは不愉快なのか呆れかえっているのか、そんな負の感情を隠すでもない。

 

「鼻筋の通る醤油顔のイケメン」とおれが評したかれは、どうやらふざけたことやお笑いが嫌いなようである。

 

「副長」

 

 俊冬が状況を語った。

 

 俊冬と俊春が駆けつけたときには、大鳥たちは倍以上の敵の隊に包囲されていたという。

 

 俊冬と俊春と相棒はソッコーで作戦を立て、手分けして退路をつくり、大鳥たちを救いだした。

 

 そして、相棒がおれたちのもとへ走り、俊冬が殿を引き受けここまでもどってきたという。

 

 俊春は単身囮になり、敵をひきつけているらしい。

 

「なんてこった。それで、ぽちはどこに?」

 

 には、特殊な絆みたいなものがある。何百キロとはなれていないかぎり、たがいの位置を把握できるのである。

 

 位置情報もびっくりであろう。

 

 おれの問いに、俊冬は微妙なになった。

 

 かれは、無言のまま曇天を見上げた。

 

 太陽は、分厚い雲に隠れていて拝めそうにない。

 

 そこではじめて、すぐ眼前にある崖がわりと高いのだと気がついた。

 

 ビルの高さ的には、十階くらいだろうか。

 つまり、三十メートルくらいありそうだ。

 

 どうやら俊冬は、曇天を見上げたのではないらしい。

 

「え?まさか、この崖の上に?」

 

 そう推測してしまった。

 

「That is right.」

 

 かれは、そうこたえると両肩をすくめた。

 

 マジかよ。

 

 俊春は、なにゆえ自分自身を追い詰めるような崖の上に敵を誘いこむんだ?

 

 驚いているおれの横で、俊冬が副長に小声でなにかいっている。

 

 副長は一つうなずいた。

 

 さすがはイケメン。うなずくだけでも絵になる。

 

 これで背中のひっつき虫さえいなければ、なおよしである。

 

「大鳥さん。いいかげんおれからはなれ、命令してくれ。全軍、林のなかに入るようにな」

「このままでもいいのではないかな?」

 

 大鳥は、いまやおんぶをされている。

 ってか、副長におんぶをさせている。

 

「馬鹿いっていないで、はやくおりてくれ。ときがない。もう間もなく、敵がくるぞ」

 

 上司を馬鹿呼ばわりし、高飛車に命令している。

 

 とんだ部下である。

 

「わかった。わかったよ。このつづきは、あとでゆっくりってことだね」

「はあああああ?なにをいっている。二度とするかっ!」

 

 大鳥ってすごすぎる。ただただすごすぎる。

 

 この一方的で一途な性格は、あのおねぇこと伊東甲子太郎まんまである。

 

 もしかして、おねぇの生き霊にでも憑依されているんじゃないのか?

 

「主計っ!世にも怖ろしきことをいうんじゃない」

「だから、なにもいってませんってば」

 

 副長ったら、ある意味おねぇを怖れているからな。

 

 怖い物リストに、大鳥も加わるかもしれない。

 

 そうかんがえると、スカッとする。

 

「主計っ!」

 

 また怒られた。 

 

「林まで下がれっ!」

 

 大鳥のソプラノボイスが響き渡った。

 

 その指示どおり、兵卒は身の回りにあるものを抱え、バックにひろがる林のなかへと後退する。

 

「それで?ぼくの「シェリー・ココ」は、つぎはどんな活躍をみせてくれるのかな?」

 

 兵卒たちのほとんどが林のなかへと後退したが、おれたちはまだその場にとどまっている。

 

 大鳥がにこやかな笑顔とともにそう尋ねると、俊冬がぷっとふいた。

 

 たしか、「シェリー・ココ」ってフランス語で「かわいい子」みたいな意味じゃなかっただろうか。副長や島田に「シェリー・ココ」の意味を伝えると、副長がつぶやいた。

 

「ぽちがそんなにかわいいのであれば、ぽちの背にくっついていやがれっていうんだ」

 

 副長は、平気で部下を生贄に差しだすようだ。

 

 上司のモラルを疑っていると、俊冬と相棒が崖の上にを向けていることに気がついた。

 

 は俊春を追い抜き、さらに上昇をつづける。

 

 おれも負けてはいられない。さらに二丁の銃を、相棒に放った。

 

 この間、わずか数秒間のことである。

 

 四丁の銃を放り投げおえると、崖の上をみてみた。

 

 すると、敵の部隊がこちらをのぞきこんでいる。でっ、上昇してくる俊春を見、慌てて