終いには美海は下から見上げる形になるため斉藤は上を向いた。

 

 

「なんなんですか?」

 

美海はよくわからないまま廊下を進んだ。

 

 

美海が去った後、斉藤は真っ赤になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!おはようございます!」

 

次は喋っている永倉と原田を見つけた。

 

 

永倉と原田はジッと美海を見た。

 

 

「?」

 

 

永倉も原田も上から下まで舐めるように見る。NMN 是什麼

 

 

「うん。そうだなぁ」

 

原田は一人頷き始めた。

 

 

「おはよう美海」

 

永倉は見たことがないくらいの笑顔で挨拶をしてきた。

 

「???」

 

 

「よしよし」

 

原田は美海の頭をポンポンと撫でる。

 

 

「な…なんですか二人とも!気持ち悪いですね」

 

「いやぁ。なっ!」

 

「なっ!」

 

 

普通に接する予定が皆行動に出しすぎである。

美海は訳が分からないまま大広間の戸を開ける。

 

 

ガラッ

 

「おはようございまーす」

 

 

シンッ…

 

 

座敷に座って雑談していた隊士達は美海を見たまま固まって動かない。

静まり返っている。

 

 

「な…なに…?」

 

美海はひきつった顔で聞く。

 

 

「た…立花さん!」

 

一人の隊士が声を上げた。

ビクッ

 

 

「立花さんが返って来たぞ!」

 

 

「よかったぁぁぁ!」

 

「「「立花さー――――ん!!」」」

 

ガタッ

 

ガタガタッ

 

 

「「「ぅぉおおぉ!」」」

 

 

隊士達は席を立つと走って美海に飛び付いた。

泣いている。

 

 

「え?え?なに!?」

 

本当に訳が分からない。

ただ飯を食べに部屋を開けると何故か静まり返り、何故か感動され、何故か泣かれている。

 

 

なんなんだこの人たち。

 

 

美海はあたふたとする。

 

 

美海はまさか自分が留守にしていた間に脱走騒ぎになっていたなど思ってもみない。

 

「脱走したかと思いました!」

 

 

「俺らがどんだけ心配したと!」

 

「帰ってきたぁぁぁぁぁあ!」

 

 

「もうこきつかいませんから!仕事が多すぎて嫌だったんでしょう!?」

 

 

 

「すいませんすいません。ありがとうございます?」

 

美海はよくわからない単語が飛び交う中、小さく首を傾げた。

 

 

本当に今日は皆おかしい。

「美海くん!元気になったみたいでなによりだ!

 

 

「近藤さん!」

 

美海は大量に群がる男の中、ふと顔を上げる。

 

まぁ身長差がありすぎて全く見えないのだが。美海にしたら壁だ。

 

 

「…チッ……戻って来なければよかったのに」

 

伊東が呟いた。

伊東は根本的に美海が嫌いだ。

 

 

「よし皆!飯を食うぞー!」

 

 

近藤の一声で皆席に戻る。

美海はボロボロの姿で取り残された。

 

 

席に着くとやたら藤堂がチラチラと見てきたが気にしなかった。

 

 

「あぁ。その前に報告がある」

土方が席を立った。皆シンと彼を見る。

 

 

 

 

「この度監察方の山崎が隊医も務めることになった」

 

 

ガタンッ

 

「えぇぇぇぇえ!?」

美海が声を張り上げる。

 

 

 

山崎は前に出て立つ。

 

「えー…。まだ見習いやけど、松本先生から医術を学ぶことになりました!美海ちゃん!よろしくな!」

 

 

「……やだなぁ…」

 

美海はボソリと呟いた。

 

 

「なんやて!?」

 

「聞こえたんですか」

 

山崎は美海に飛び込むと首を締めた。

 

 

「監察に聞こえんもんはないわ!これから美海ちゃんはライバルや!」

 

「別に私は思ってませんよ」

 

 

美海はそっぽを向いた。

 

 

結局この日美海はご飯を五杯おかわりし、女中を困らせた。

しばらく幹部の不思議な態度は続いたがこれを見て、原田と永倉は少し冷めたという。

美海が坂本に交渉に行ってからしばらく時がたったのだが、坂本からは一向に連絡が来ない。

というか会わない。

 

 

今どこにいるのだろう。

 

 

まだ国外にいるのだろうか。

 

 

「えー――!こんなの格好悪いですよ!」

 

 

やはりケータイ…。というより電話自体がないということはかなり不便である。

 

 

「ぎゃーぎゃー言わないでください。それを着けなきゃ外出させません」

 

 

「なんでですか!」

 

 

先程から言い争っているのは沖田と美海だ。

 

 

「美海ちゃん。それは一体なんに使うんや?松本先生からは『マスク』なるものやと聞いたんやけど…」

 

山崎が問いかける。