Ravi Shankar / Inside the KREMLIN (1989)

これはラヴィ・シャンカールの意欲的かつ、なかなかの異色な作品。1988年7月7日にソビエトのモスクワで行ったライヴ盤。インドから合奏団を連れてライヴをしたという安直なものではなくて、ソ連で1987年6月から1年にも及ぶ期間で開かれた「インド・フェスティヴァル」のハイライト公演で、ロシア民族合唱団、モスクワ・フィル室内楽団、ソビエト文化省国立合唱団とのコラボレーションという大イベント。ラヴィはこの公演のために7曲の作品を書きあげ、総勢140人で組曲「スワーミラン」を演奏。インド音楽ではあるけど、ソ連の人達も交じってるので、インドっぽくない瞬間もチラッと。映像を観たことがあるけど、ラヴィ自身が指揮者をしている曲もあるし、全曲でシタールを弾いているわけではない。インドの指揮者とソ連の指揮者が二人で同じ楽曲を演奏するという不思議な光景も見られたね。実のところ、インド合奏団が公演を引っ張りまくっていて、かなり良い。意外とよく聴いてる。