David Crosby / Oh Yes I Can (1989)

デヴィッド・クロスビーの18年ぶりのソロ・アルバムで、1989年リリースのセカンド・アルバム。1976年以降はドラッグに侵され、楽曲制作も数えるばかりで、生死をさまよったり、テキサス州の刑務所に収監されたりと、10年近くは暗黒時代だったといえよう。CSN&Yの1988年のリユニオンはクロスビーの社会復帰作という一面もあったそうだけど、クロスビーの提供曲も少なかったし、あんまりそんな風に捉えてなかった。そして本作のリリース情報が出た時は、心底驚いた。ジャケの彼の表情も生き生きとしてるではないか!プレイボタンを押して流れてきた多彩な音楽にも驚きを隠せなかった。今まで放ってきた楽曲群と比べ、彼独特の持ち味はそのままだけど、よりシンプルで力強い。とにかくヴォーカルが凄い。栄光と挫折を味わった計り知れない体験が、歌声に沁み込んでいるかのよう。「Drive My Car」、「Distance」、「Melody」、「Flying Man」は、キャピトル・レコードでのソロ・アルバム(1979~81年)のための楽曲だそう。CDなので擦り切れることはないが、まさに擦り切れるほど聴いている。大切な一枚。

 

Tracklist:

1.Drive My Car (Crosby)
2.Melody (Crosby, Craig Doerge)
3.Monkey and the Underdog (Crosby, Craig Doerge)
4.In the Wide Ruin (Doerge, Henske)
5.Tracks in the Dust (Crosby)
6.Drop Down Mama (Crosby)
7.Lady of the Harbor (Crosby, Craig Doerge)
8.Distances (Crosby)
9.Flying Man (Crosby, Craig Doerge)
10.Oh Yes I Can (Crosby)
11.America (My Country 'Tis of Thee) (Traditional, arranged by Michael Hedges)