どうも皆さんオハニチバンワ、ジョニー”ジュニーじゃなくてジョニーです”柳川です。

随分と秋めいてきましたな、たまには為になるっぽいことでも書いてみよう。

でもテーマがデカ過ぎてかつ長くなりそうなので、途中でやめたらごめん。


タイトルにそのヒントがあるのですが、皆さんは、鼻濁音ってご存知ですか?

すごくざっくり言うと、日本語の「が行」の発音をする際に、「が」と濁音で発音するか「が」と鼻濁音で発音するかの違いです。

うん、全然わかんないよね、文字にすると一緒なんだよね。

学術的に言うと

破裂音の濁音

通鼻音の濁音

です。

濁音は、ご存知の通り、他の濁音と同じでね、がー!とか、ぎー!とかで、鼻濁音ってのは、誤解を恐れずにいえば、んがー!とか、んぎー!とか鼻に息が抜けるように発音するんだけども。

鼻濁音の「が」とか「ぎ」とかはね、鼻をつまんじゃうと音が出ないんだわよね。 

発音出来ない人は、「んーーーーーーがーーー」と発音するときに、「ん」から「が」に切り替わる時に、喉を開く感じでやると多分出来ると思ふ。

でまあ、何を言いたいかというと、昨今の日本ではこの鼻濁音が失われつつあるという論調があるわけですな。特に、近年の若者などは鼻濁音を使えない、聞き分けさえ出来ないどうなっとるんじゃ!ってこともある。昔は学校で教えてくれる場合もあったけども、それが昨今の教育の現場では、鼻濁音の使い分けを分かってる先生があんまいないので、子供たちは鼻濁音自体の存在を知らないまま大人になってしまうわけです。

そもそも、この鼻濁音、地域によってはそもそも使われていないってのもあるわけですが。

ざっくり西日本、東日本で分けると、西日本はあんま使いません。
東日本では、群馬、埼玉は鼻濁音を使わない。
東北はゴリゴリ鼻濁音使う。栃木、茨城、神奈川は使う。千葉は県内で使うとこ使わないとこまっ二つ。静岡もまっ二つ。
西日本では、ほとんど使わないけど、徳島の一部では使う、鹿児島の枕崎あたりでは使う。
などなど。

もちろん細かな地域差、個人差もありますがね。


前提として、鼻濁音の使い方も色々あります。
一番代表的なのは、語頭の「が行」では、鼻濁音は使わない。とか。

学校(っこう)の「が」は鼻濁音では無く濁音。
音楽(おんく)の「が」は鼻濁音になる。
私が(わたし)の助詞の「が」は鼻濁音になる。

他に外来語や擬態語の場合使わないとか色々あるんですが、

この辺りの鼻濁音の地域差、使い方、諸問題にメスを入れてるいい資料として、私の大好き、TBSラジオの「安住紳一郎の日曜天国」の2010年2月21日の放送をPodcastでチェックしてください。


てか、じゃあそもそも、この鼻濁音の、存在意義、持ち味は一体なんなのか問題にぶちあたるわけだ。

「鼻濁音を使って日本語を発音すると心地いい、綺麗に聞こえる」

という非常にざっくりしたとこなのであります。
 

では、実際今、鼻濁音が使われているってのは、どういう瞬間なのだ?てか誰使ってるの?
という事に関しては、例えば言葉に厳しい現場、NHKのアナウンサーの皆さんの多くは、注意して聞くと鮮やかに鼻濁音使ってはります。

芝居や江戸落語なんかでも頻出してきますが、こと、音楽においても鼻濁音ってのは、歌において非常に重要な役割を果たしています。

昨今のJ−POPで鼻濁音がほとんど聞かれないと嘆いたのはさだまさしでございますが、一昔前の歌謡曲などでは鼻濁音使うのが普通だったわけで。おそらく作家先生とかの歌唱指導とかが徹底されてたからですかね?


例えばこちら





うむ、すばらしい鼻濁音。

ロックやポップスにおいても上の世代の諸先輩方、ヤマタツさんとかは非常に意識的に発音にこだわってるのが見て取れる訳ですが、個人的には非常に美しい発音の参考例として以下。





うむ、美しい、名曲。

主にリズムを強調するという側面であえて鼻濁音を使わないってパターンもあるし、地域によってはそもそも鼻濁音という概念が存在しないので、一概には言えませんが、おそらく「ら」抜き言葉が一般化したみたいなもんで、鼻濁音っていうのも消え行くモノなのかもしれませんね。


そーいや、
「〜ですってよ。」
「あら嫌だわ。」 

のような、「てよだわ言葉」はそもそも、大正時代に流行したものらしいですが、当時は、今で言うギャル語扱い、つまりは若者言葉として大人たちには疎まれてたんですってね。それが今じゃお嬢様ことばっぽい扱いですもんね。

だいぶ長くなりましたが、鼻濁音について誰かが調べた時に、最低押さえておくべきポイントはまとめられたのではないかと我ながら思ふ。たまには徳の高いことしたぞ!

実際問題、鼻濁音を使った方がいいのか使わない方がいいのかっていうと、それは各自ご自由にどうぞ!ってとこですわ!

それじゃまた!



 

英語にも当然鼻濁音はあって、singやsongのように語尾がngで終わる単語の時、鼻濁音になります。