本日は「世田谷区は30代のワクチン接種券7/12の週から発送らしいので全然届かないけどきっちり住民税は届くんですね保坂区長」とポストに来ていた住民税の通知を見てブツブツ言いながら気づいたら手に取っていた、加川良の1971年のデビュー盤、「教訓」、URC初版だけど1stプレスではない。1stプレスはA面6曲目が「その朝」ではなく「働くな」って曲が入ってたそうです。

去年だったか渡辺謙、もとい、ケン・ワタナベの娘さんの女優の杏さんがコロナ禍の外出自粛の中、このアルバムの1曲目の「教訓1」を弾き語る姿がUPされて話題になったので、世代じゃなくても曲は知ってる人は多いのではないだろうか。

私が加川良の名前を初めて知ったのは、明確に記憶しているのだが、子供の頃「LOVE LOVE あいしてる」というKinKi Kidsと吉田拓郎のやってたテレビ番組で、松山千春がゲストに来た時に、吉田拓郎本人に向かって「俺、拓郎派じゃなくてサー、加川良派だったからサー」みたいなこと言ってた時に子供ながらに「ん?だれ?加川良ってだあれ?」って名前を知りました。

余談ですが、「LOVE LOVE あいしてる」当時すごく好きな番組でして。冒頭が大体「全部だきしめて」の生演奏からはじまるスタイルで、海外からのギタリストとかがゲストによく出てて。
ポールギルバートとかはよく出てましたね。ど頭のフレーズからぶっ飛んでるやつ来たな!と思ったらイングウェイマルムスティーンだったりね。イングウェイと吉田拓郎が横並びで演奏するというすさまじい絵づら、しかもその2人の間を縫ってでてくるその日のゲストが観月ありさ、ナースのお仕事っていう、はんぱねえカオス。

話の脱線がひどいながい、、

このアルバムは、URCレーベルメイトなどいろんなミュージシャンさんが参加してるのも有名ですが。はっぴいえんど参加のB面5曲目は、他の岡林信康のバックの時もまあそうだけど、どっからどう聞いてもはっぴいえんどの音ですね。録音がはっぴえんど1枚目と同じアオイスタジオなのもあってか、余計に同じ空気感ですね。

私のような若輩者が語るにはあまりある素晴らしいアルバムですが、A面1曲目「教訓1」なんかは反戦に限ったことではなく、つまりは今でいう逃げ恥なんかにあたる価値観になるでしょうか、ちがうか。
M2「戦争をしましょう」なんかは高田渡の「自衛隊に入ろう」と同じ皮肉、逆説的な反戦歌といえると思いますが、もう僕らはこういう皮肉とか逆説的なっていう意味が通じない字づらだけの時代を生きていますものね。歌詞の中でギョロ目って安倍シンゾーの大叔父こと当時の佐藤栄作首相のことなんですが、多分今なら人様のことを、ましてや首相をギョロ目なんていったらけしからん!って言われてツイッター炎上するんでしょうね。

なんか吉田拓郎か加川良かって言われてたけどそんな売れなかったよね、みたいな世間評は、おいらまあ違うよなと思うし、フォークの人でもシャウトしたりいろんな歌い方ありますが、こういうまっすぐな歌い方でストイックに言葉を届けてくるスタイルは、とても尊いと個人的には思うのです。
うまくいえないけど、無理に例えると「広くはないけど、とてもとても深い海のような世界」とでもいえるのではあるまいか。
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