本日の掃除レコードは、今日リハで久々外でたらマジで花粉にボコボコにされてしまって鼻ジュルジュルなので推敲なしで書きっぱなしで一気にいくのだ。だから長くなったらすまない、読み飛ばしてくれ。
なぜか結果的に今週は、本国でめちゃくちゃ人気あったわけじゃないけど日本で人気のあったソウルシンガー特集になりましたが、今日はWILLIE HIGHTOWERの「WILLIE HIGHTOWER」です。このアルバム自体は日本のP-VINEが編集した日本発のもので、1965年から69年の録音ものを集めたもの、1983年リリース。

レコードについてた鈴木啓志さんのライナーによると、元々ウィリーハイタワーのアルバムを制作していたレーベルのオーナー、ボビー・ロビンソンと直接コンタクトが取れたので当時、日本のオリジナルの企画でこのLPができたそうな。当時はキャピトルからLPが1枚だけひっそり出てるのみで待望のLP化だったそうな。

ボビーロビンソンという人は、フューリー/ファイアなどのレーベルの創設者。第二次大戦後にNYのハーレムにレコード店オープンしたら繁盛して、その審美眼からかいろんな大手のレーベルから助言を求められるようになり、「ほんならワシも自分でレーベルやろうかな」ということで、1951年からレーベル事業をやるようになったそうな。

小規模レーベルではあったけど、ヒット作もちょこちょこ出がけてたそう。
このアルバムの多くの曲も、そのボビーさんがハイレコードのスタジオを借りて大半を録音したもの。
ただなんでか知らんけどボビーさん一回倒産して、このハイタワーの録音を大手のキャピトルに渡して当時キャピトルからLP出てたってことみたい。
ボビーさんは、80年代にはヒップホップの作品もたくさん手がけてて、グランドマスターフラッシュなんかもプロデュースしたりしてるそうで、1917年生まれらしいので、その時点で60歳超えてるのに感性が若い人ですね。

このハイタワーさんも今週紹介した他の人の一部パータンと同じ、サム・クックに触発されて、ゴスペルからR&Bのシンガーに転向した方。
で、一つ他の人と違うのが、曲によってなんですが、歌の節回し、というか声そのものがかなりサム・クックと似てる瞬間が結構あります。
飲み屋で酔っ払って女子を口説いていて、もしこれが店内のBGMで流れていたら女子にドヤ顔で「あ、これねサムクックていうんだよ?いやサムクックってのはね、え?聞いてない?私K-POPしか聞かない?いやK-POPだと俺はね、最近ほらSpotifyから一気に消えちゃった件のIUとか結構好きで、え?うるさい?黙ってろ?その排水溝みたいな口を閉じろ?いや、だっ、、」みたいなエセうんちくが空振りする会話が成立するくらい似てる瞬間がちょくちょくあります。

ハイタワーさん本人曰く、サムクックがアイドルだったらしいので、影響をかなり受けてるのかも。
サムクックのテイストにブルースの味を足した感じのディープソウルシンガーです。

ハイタワーさんその後、ボビーさんとこを離れ、昨日も書いた野村監督率いるフェイムに移籍、そして1972年にはマーキュリーに移籍します、が、それ以降の情報が見当たらない。そこまで本国でヒットに恵まれなかったのはそうなのかもしれませんが、詳細がわからん。
今私の手元で資料として参照している古いソウルの本だとそもそも生まれが「1943年頃」って書いてあるんだけど、今ネット見たら1940年9月3日だったってことがやっとわかったってくらい、情報が少ない。

で、このハイタワーさん、吉岡正晴さんのブログによると、母親の介護等もあって1995年ごろから10年ほどしばらく音楽から離れていて、その頃は不動産業をやっていたそうです。

そして時を経てなんと、2018年に78歳にしてほぼ半世紀ぶりに新譜「OUT OF THE BLUE」を発表します。しかもプロデュースが、昨日のスペンサー・ウィギンスも所属していた、ゴールドワックスレーベルの創設者、クイントン・クランチ、96歳。

そのアルバムはレコード持ってないのですが、配信でも聴けるので皆さんもし興味あったら聞いてみてほしい、とてもいいんですよね、、多分不動産屋時代、忘年会でカラオケ歌ってたら宴会が爆盛り上がりしたやろうなという歌声。若い頃のパワーでくる感じじゃなくて、なんかサムクックと似てるなとかもう一切よぎらない、すごくいい感じに力抜けてる歌い方。アレンジの感じもすごく素直で素朴で王道感あってとてもいい。これが78歳と96歳の仕事、、俺が鑑定団の中島誠之助ならおもちゃ屋の北原さんヘッドロックして「このアルバムいい仕事してるからお前も聴けよなああああ!」と我を忘れてしまうレベルである。あっぱれである。

ほんで、ハイタワーさん、同じく2018年に奇跡の初来日を果たしています。しかもバンドがスティーッヴ・クロッパーやホッジズ兄弟なんかを連れて。観れなかったのが悔やまれる、、
ツイッターとかHPないからわからないけど、今80歳でご健在の模様。

すみません長くなりました、また来週!
#williehightower
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