ちょっと風邪気味の私
マスクを着けて


   いざ仕事


でもそんな日に限って、忙しく動き回らなきゃならない仕事ばっかり


息苦しいなって思っていたら


 「おはようございます」


聞こえたあの人の声
遠くって声だけで姿は見えなかった


声が聞けただけで今日は終わりかな…


なんて、思いながら
また仕事をする私…


駄目だ…やっぱり息苦しい


まだまだ忙しく動き回らなきゃいけないから
マスクを外して仕事を再開した


喉痛いなと思いながら仕事をしている私の横をあの人が「おはよう」って言いながら通り過ぎ…ちょっと行ってから振り向き、笑顔で


 「風邪引いてるなら
  マスクちゃんとしろ」


言われて、あははって笑った私だけど
今仕事してる私のどこに風邪を引いてる要素を見つけたのだろう?


咳をしてる訳じゃないし
他の誰かが、わざわざあの人に言う訳ないし
マスクをしてる…


あの人がこの職場に来て直ぐぐらいに私はマスクを外したのに…


あの数分で
私はあの人の姿を探せなかった

あの数分で
あの人は私を見てくれたんだね



この後私はどんなに息苦しくってもマスクを外さなかった


今日も私はあなた色の片想い

 
 振り向いた先に仕事をしてるあなたの後ろ姿を見つけた


ただそれだけで嬉しくって自分の仕事を張り切ってしまう私


夢中で仕事して
不意に振り返ったら
こっちを向いて座っていたあなた


心臓が止まるかと思うくらい驚いた私


座ってると思わなかったし、こっちを見てるなんて思いもしなかった


距離はかなりある
でも私には気付いたよね?…って、別に私を見る為に座ってた訳じゃないんだってちゃんと分かってるよ

たまたまだって


だって、次に振り向いたらあなたは同じ体勢のまま電話してた


だから、こっちを向いて座っていたのはたまたま


でも、いいの…


話が出来なくてもいい


1日の流れの中で
一瞬でもあなたの瞳に私が映ればいい


なんの意味もなく
ただ映るにすぎなくても
それだけで私は嬉しい


私という存在が今日もあなたの近くにいたとあなたの瞳が知ってくれた…それだけでいい


今日も私はあなた色の片想い




 
 廊下の向こうから聞こえるあなたの笑い声

私にはそんな風には話し掛けては来ないよね



目に見える程の距離に心が絞めつけられる




でもさ…最近少しだけ私に慣れてきた?




朝から私に新人さんが2人ついた日


面倒くさい事が嫌いな私は大雑把に仕事を教えて1人1人で仕事をしてもらっていた


だからパッと見には私はいつものように1人


うちの部署に来たあなたはいつものようにおはようを言って奥へ入って行った


そして帰りぎわ
私の横を通り過ぎる瞬間
足を止めたあなたに気付いた私は振り向いたけど、あなたはまた歩き出した


何だったんだろう?って思っていたら


 「今日は弟子がいて
     仕事楽じゃん」


一瞬意味が分からなくって戸惑った私だったけど


 「楽じゃないよ
  逆に大変 疲れるよ」


大袈裟にため息つけば
笑いながら部屋を出たあなた



少しだけ ほんの少しだけ私に慣れた?

気付いてくれてありがとう


もっともっと私を見て
もっともっと私の存在をあなたの心に焼き付けて



私の心はあなた色だよ