打製石器を使って移動して生活する

  人類が地球上に初めて出現したのは、約400万年前のことと推定されている。以後、人類は進化を繰り返し、約20万年前には現生人類の祖先とされるホモ·サピエンスが登場した。最初、人類は石を割ったり剥がしたりして作った打製石器を使用したが、この時期を旧石器時代という。

  満州と韓半島(朝鮮半島)地域の旧石器時代は約70万年前から始まったとみられる。旧石器人は最初はチョッパー、ハンドアックスなど一つの打製石器を様々な用途で使用したが、次第に石の加工方法が精巧になり、用途によってはスクレーパー、エンドスクレーパー、刃器などを製作した。旧石器人たちは植物の実や根などを採集したり動物狩りをしたりして暮らした。また、群れを成して獲物を探して移動生活をし、洞窟や岩陰に住んだり、幕宿を建てたりした。旧石器時代は階級のない平等な社会だった。

  約1万年前に氷河期が終わり、気温と海水面が上昇した。自然環境の変化でマンモス、毛サイなどの大きな獣が減り、ウサギ、シカなどの小さくて速い獣が増えた。旧石器人はこのような獣狩りのために、有茎尖頭器のような石器を木や骨に挿して使う道具や弓を作った。

 

 

磨製石器を使って農耕や牧畜を始める

 

 

  満州と韓半島(朝鮮半島)では約1万年前から新石器時代が始まった。新石器人は石を研いで作った磨製石器を使用し、土で土器を作って料理や保存した。初期には早無文土器と起文土器が用いられたが、次第に櫛文土器が広く使われるようになった。

新石器時代には農耕と牧畜が始まり、食料を生産する段階に至った(新石器革命)。農作物は主に粟、キビ、ヒエなどを栽培した。 しかし、相変わらず狩り、採集、漁が食糧を得るのに大きな割合を占めていた。弓と槍で狩りをし、釣り針、ハープーン、石重りなどで漁労活動をし、紡錘車や骨針を使って服や網を作った。

  農耕とともに定着生活が始まり、新石器人たちは主に川辺や海辺に穴蔵の家を建てて生活した。新石器時代には家族共同体に基づき、血縁中心の氏族社会が構成され、様々な氏族が集まって部族社会を形成した。旧石器時代と同様、構成員間の関係は平等であった。

 

 

櫛文土器 : 櫛文土器:櫛の模様の細い線が刻まれた土器で、全国で発見されている。

 

 

青銅器が普及し、国家が登場する

  紀元前2000年から紀元前1500年頃、満州と韓半島(朝鮮半島)では青銅器文化が広まり始めた。青銅は材料が貴重で作るのも大変ですので、主に支配層の武器、祭器、装身具の製作に使われた。代表的な遺物としては琵琶形の銅剣と粗い模様の鏡、青銅の鈴などがある。農機具をはじめとする生活道具は依然として磨製石器を使用し、土器は主に無文土器を使用した。 この時期、一部の地域では稲作が普及した。

 

青銅器が普及し、国家が登場する

  紀元前2000年から紀元前1500年頃、満州と韓半島では青銅器文化が広まり始めた。青銅は材料が非常に豊富で、作るのが難しく、主に支配層の武器、祭器、装身具の製作に使われた。代表的な遺物としては琵琶形の銅剣と粗い模様の鏡、青銅の鈴などがある。農機具をはじめとする生活道具は依然として磨製石器を使用し、土器は主に無文土器を使用した。 この時期、一部の地域では稲作が普及した。

青銅器時代には生産力の発展で貧富の格差が生じ階級が分化した。優勢な部族は青銅製の武器を使用し、周辺の弱い部族を征服または統合した。この過程で、様々な部族を統合した権力者である郡長が出現した。

  郡長は青銅の鈴や青銅の鏡を使って呪術的能力を誇示した。また、自らを「天の子孫」と信じる天孫思想を掲げ、周辺の村や集団を支配した。郡長が死ねば、その権力を象徴する巨大な支石墓や石槨墓を作った。このような青銅器文化に基づき、韓国史上初の国家である古朝鮮が建国された。

 

鉄器が普及して諸国が成長する

  鉄器は紀元前5世紀頃から使われ始め、次第に韓半島(朝鮮半島)全域に広まった。鉄製の農機具や鉄製武器の普及により、農業生産力が大幅に向上し、経済基盤が拡大し、征服戦争も活発化した。これにより部族間の交易が拡大し、部族社会の統合が促進された。鉄器が普及するにつれ、満州と韓半島一帯には扶余(夫餘)、高句麗、三韓など様々な国が登場した。

鉄製農機具と鉄製武器が広く使われるにつれ、青銅器は主に儀式用道具として使われた。この時期、韓半島では細形銅剣、小紋鏡のような独自の青銅器文化が発展した。また、鉄器とともに出土された明刀銭などの貨幣を通じて中国と活発に交流していたことが分かる。

 

琵琶形銅剣(左)と細形銅剣(右):満州と韓半島(朝鮮半島)から出る代表的な青銅器は、刃の形が琵琶という楽器に似た琵琶形銅剣である。鉄器文化が普及するにつれ、琵琶形銅剣は細長い形の細形銅剣へと変化した。細形銅剣は韓半島でのみ発見され、韓国式銅剣とも呼ばれる。