- 警 告 -
この感想には、ネタバレ、及び、個人的感想と妄想が含まれてますので、
そのつもりで、見て下さい。
この警告を呼んだ上での苦情は一切受け付けませんので、そのつもりで。
- 警告終了 -
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主人公の西園翠子(永山左斗子)は、売れっ子の占い師。
でも翠子にはもう一つの顔があった。
可視魔女...彼女は未来を見る事が出来るのだ。
だがその未来予知は完全なものではなく、3/4の確率で現実となるが、
残りの1/4は必ずハズレるのだ。
ある日、翠子は絶対にハズレて欲しい未来を見る。
それは父・聡一郎の再婚に関するものだった。
再婚相手の芙美子が父の財産を手に入れ、満足げに笑ってる未来を視てしまったのだ。
この未来予知に危機感を覚えた翠子と翠子の3人の姉たちは、
その未来を阻止しようと団結する。
その方法は翠子が近々に視た予知の3つを実現させる事で、
父の再婚の予知を1/4のハズレにさせるという予知操作を行う事だった。
しかし、その3つの予知は3人の姉たちに関わりがあり、
どれも実現困難な内容だった...
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劇団21世紀FOX出身の女優4人(西原久美子、百々麻子、永山左斗子、浦田ターコ)
による演劇ユニットの4作目となる公演で、
4人が4姉妹役で出演し、4つの未来予知に振り回されるドタバタのコメディでした。
偶然にも未来予知を題材にした作品を2本続けて観る事になったわけだけど、
1/4の確率で必ずハズレるという制約が、凄くいいアクセントになってたと思いました。
なにより1/4を確実に失敗させる為に、
他の3つを成功に導くという発想の転換が斬新だな...と。
そして、完全じゃない事が予知そのものの解釈を膨らませてると言うか、
上手く考えてるなって。
それでいて、予知の結末は期待を裏切らない展開だったので、
観終わった後、その後の4姉妹たちがどうなったのかな?と
想像したくなる終わり方だったのが、また良かったんじゃないかと。
物語は父親の再婚の未来をハズレさせる為に、
他の3つの予知を現実にせんと、それぞれが活動するわけだけど、
その一つ一つの話が、人の成長の物語になってて、
その辺りが、ただ面白いだけのコメディじゃなくてね。
一つ一つの話は割愛させて貰うけど、
自らの欠点に真摯に向き合う部分だったり、原点回帰だったり。
そして、翠子自身の成長の話でもあって。
翠子は未来予知をスペシャルな占いとして使う事もあるが、
そんなチカラがある事を決して良く思っていない。
その未来予知が完全ではない事もあり、
自分自身を「不完全なバケモノ」と自虐する事すらある。
そんな翠子が一連の騒ぎの末に、母が遺した言葉の意味を理解して、
チカラに対し、前向きに捉える第一歩を踏み出して行くトコに、
ちょっと心を掴まれた感じでしたね。
特に、一気に解決するんじゃなくて、ようやく一歩踏み出したというカタチが、
その後の彼女たちが気になる一番の理由かもしれないですね。
MOHHchの舞台を観たのは実はこれが2度目。
だから今回、4姉妹を演じた4人がMOHHchではどんな感じなのか、
分からない部分が多くて。
そんな状態で4姉妹を演じてるのを観る事になって、ちょっと損したかなーと思った。
もっと4人の役者さんたちの事を知ったうえで観ていたら、
もっと面白く感じたんじゃないかって思えてね。
でも、これからMOHHchの舞台を観ていく楽しみが出来たなって思いましたね。
最後に客演の事、特に河本浩之さん。
話の流れ的に「全裸で手桶」が出てくるとは思ってなくて...(苦笑)
でもあの状態で締め出されて、フロントまで行く姿を想像したら、
笑いが止まらなかったです。
やっぱり河本さんが出演する舞台は油断できないですね(苦笑)
私事だけど、短期間に同じ題材(未来予知)の舞台を2本観て、
その2本ともしっかり楽しめる事が出来て本当に良かったです。
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作品データ
MOHHch:act.4 『カシマジョ!』
CAST
永山左斗子、西原久美子、百々麻子、浦田ターコ(松本貴子改め)、
田野良樹、おぉじのりこ、河本浩之、伊藤健太郎、田中一成、五十嵐勇紀、他
脚本・演出:佐渡ツムジ
上演時間:約1時間50分(途中休憩なし)
2016年7月27日~31日、下北沢「劇」小劇場にて上演。
(7月29日、前から3列目中央付近(自由席)で観劇。)