なかなか旅行に行けない日々が続いているので、思い出話というか、書くのをさぼっていた話を書こうと思います。昨年(2019年7月28日)に「小坂鉄道レールパーク」で寝台特急「あけぼの」に乗った(泊まった)お話です。

 

上野と青森を結んでいたあけぼのは、私が一番多く乗ったブルートレインです。定期運行時に7回、583系による臨時に1回、定期運行廃止後の臨時運行に1回の、計9回乗車しています。「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」といった「リゾート列車」とは異なり、最後まで交通機関としての役割を果たしていた列車です。上野駅の13番線ホームでは、北へ帰る人の見送り光景がよく見られました。私も青森での所用のためや、途中秋田までといった利用を行ったものです。

 

そんなあけぼのも、2015年1月4日の臨時運行を最後に事実上廃止となり、車両の一部が秋田県小坂町にある「小坂鉄道レールパーク」にて、保存・宿泊営業が行われています。(残念ながらコロナ禍で今シーズンは宿泊営業は休止。)

 

小坂鉄道は奥羽本線大舘駅から小坂駅まで貨物列車を中心に運行されていた鉄道でした。2009年に廃止されましたが、2014年に小坂駅をレールパークとして復活させ、あけぼのへの宿泊や、ディーゼル機関車の運転体験が楽しめる施設になっています。

 

前置きが長くなりましたが(だから書くのに時間がかかりなかなかブログに手が付けられない)、小坂鉄道レールパークに向かいましょう。

 

2019年7月28日、全線開業なった三陸鉄道に前日に乗車した私は、宮古から盛岡経由で花輪線の十和田南駅に降り立ちました。レールパークへはここからバスに乗ります。

 

バスに揺られること25分。最寄りバス停から徒歩2分で、レールパークの入り口が見えてきました。

 

 

小坂駅です!

 

いろいろ展示物はあるのですが、途中略ということで、あけぼのとご対面です!

 

私が最後にあけぼのに乗ったのは2014年8月1日。臨時あけぼのに乗り秋田駅で下車しました。8月2日に秋田駅を出発するあけぼのを見送ってから、5年後の再会です。涙が出そう・・・。(その時の写真)

 

レールパークのあけぼのはなんと動くのです。上の写真の車両展示スペースから、「小坂駅」までの構内を、ディーゼル機関車に引かれてゆっくりですが走ります。そして、宿泊者はそれに乗れるのです。

 

レールパークのあけぼのは、「オハネフ24 12(B開放寝台)」「オハネ24 555(B個室ソロ)」「スロネ24 551(A個室シングルデラックス)」「カニ24 511(電源車)」の4両です。宿泊できるのはA個室とB個室の2両で、B開放は休憩スペース。構内走行時に乗れるのもB開放です。

 

おお、動いている!涙が出そう(2回目)。

 

小坂駅に着きました。

 

私の泊まる車両に移りましょう。A個室シングルデラックスです。現役時も人気で2回しか乗れませんでしたが、ちょうどよい豪華さで、大好きでした。また乗れるとは涙が出そう(3回目。)

 

室内です。昼間はこのようにソファー、背もたれを倒すとベッドになります。

 

左手にあるのは洗面台。今は使えません。洗面台の右のスペースには、現役時は小さなテレビが置かれており、映画が流されていました。

 

これは2010年5月8日に乗車したときの写真(左右反転タイプの部屋)。放映されていた作品は「犬と私の10の約束」でした。

 

以前は当然車内で夕食をとったり軽く飲んだりしましたが、今は車内は飲食禁止で、飲食はB開放か、駅付設の休憩スペースを使います。トイレやシャワーも駅付設のものを使います。夕食は出ませんので、持ち込むか、外に食べに出ることになります。(外食はちょっと歩くので私は持ち込みました。)

 

小坂駅に夜の帳が降りてきました。「夜行列車」はここからがある意味本番です。

 

ブルトレファンにとって、ブルトレ乗車時は寝るか起きているかは永遠の課題でした。少しでも長く起きていてブルトレを楽しみたい。でも寝ないと寝台を取った意味がない。今回も悩みましたが、適当な時間にシーツを敷き、実際は動いていないのですが、動いていると自分に言い聞かせ、いつしか眠りに就きました。

 

寝ている間に、あけぼのは終着駅に着きました。乗った駅と同じような気がするのは多分気のせいです。

 

朝食には、大舘駅の名物鶏めし弁当をあらかじめ予約できます。もちろん予約していました。いつもながら、おいしい駅弁です。

 

今日は昨日見ていなかった、あけぼの以外のレールパークの施設を楽しみました。それは割愛させていただいて。今回のあけぼのの締めの写真はこれ。

 

来場者・宿泊者サービスで、車両横の方向幕をいろいろ変えてくれるのですが、朝起きたら、「なは」になっていました。なはは2003年8月30日に乗りました。かつて沖縄返還を願ってつけられた、大好きな列車名。涙が出そう(4回目)。写真は当時の西鹿児島駅に到着時のもの。

 

レールパークを後にした私は、鷹巣駅から秋田内陸縦貫鉄道に乗車し、角館駅から新幹線で帰って来ました。またあけぼのに乗りに(泊まりに)行きたいなあ。1日も早くこうした旅行が心おきなく楽しめる日が来ることを祈って、この記事を終わらせていただきます。

 

(2020年8月29日に記す。あけぼの宿泊は2019年7月28日から29日にかけて。)