焼き肉のタレ | 理都の人生悪あがき

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3児の母です。
子どもの事、日常の事、料理や趣味の事など綴っています。

我が家には、400mlの焼き肉のタレがある。

もともと我が家には調味料が少なかった。生野菜をあまり食べないのでドレッシングがない(結婚して最初に買ったのを賞味期限切れで捨てている)。マヨネーズが嫌いなので買わない。醤油、みりん、味噌などのベーシックなモノと、オイスターソース、ソース、ケチャップ、ゴマだれぐらい。あれ?結構あるな。

買わなかったのは、「生姜焼きのタレ」「豚味噌のタレ」などの「出来上がってる」調味料。生姜焼きって醤油、みりん、生姜で出来るよなあ、とか考えると勿体なくて。そういうのを買ったら主婦として失格、とかいう思いもあった。

それらのタレに手を出したのは、次女出産の時である。三人の育児。産後2週間までは旦那実家でお世話になれるが、それ以降は自分で家事育児しなければならない。旦那の弁当は自分で何とか出来るだろうが、長男の弁当は作らない訳にはいかない。

主婦失格だろうが手抜きだろうが、便利なモノは全部使おうと決めた。出産までにタレを色々買い漁って試食し、好みのモノを4種類選んだ。

ありがたい事に旦那は「生の生姜すりおろした生姜焼き以外は認めない」とかいうめんどくさい人間ではない。むしろ「生姜焼きのタレ旨いよね」とか言って、調理時間5分の肉をパクパク食べる。子どものウケもいい。私が頑張ってきたのは何だったの。

でも良いんだ。凄く楽になったから。一回買ってしまえば抵抗はなくなり、冷蔵庫には常時何かしらのタレが置かれるようになる。その中のひとつが、焼き肉のタレである。

ところで旦那は、牛肉が好きではない。というか興味がない。「オレの血液は豚骨スープで出来ている」とか真面目な顔で言う、大の豚好きである。

これを世の奥様方に言うと、「何て経済的!良い旦那様ね~」と言われる。うん。「月に1回は分厚いステーキを食わせろ!」よりは「豚カツよろしく」の方が家計的にはありがたい。でもね、私は牛肉、好きなんだよ。

性格上、自分だけが食べるモノって買いにくい。養ってもらってる負い目もあるんだよね。とか言いながらちょくちょく自分だけのカマンベールとか買ってるんだが、とにかく、牛肉にはなかなか出が出なかった。高いし、食べなきゃ死ぬってもんでもないし。

焼き肉のタレを買った時、私は思い出した。母がよく、ピーマンと玉ねぎと牛肉を炒めて、焼き肉のタレで味つけしてたよな。あれ好きだったんだ。豚肉で作ってみるけどちょっと違う。牛肉が良いんだよ。

望郷の念を交えて旦那に話すと「牛肉買えばいいじゃん」とこともなげに言う。でも高いしな。ところが、とあるスーパーで、牛肉の切り落としが安く売っていると友達が教えてくれたのだ。

いつも買う豚肉よりはちょっと高い。でも出せない値段じゃない。長男が最近外食で牛肉を食べて気に入っていたのもあって、久しぶりに買う事にした。

ピーマンがなかったので、人参と玉ねぎと牛肉を炒め、焼き肉のタレで味つけ。これだよ、この味。私が食べたかったのは。私は母親にがっつり胃袋を掴まれた食いしん坊であり、今でも「お母さんのハンバーグ食べたいなあ」とか思ってしまう。私が男ならきっと嫁さんに離婚を切り出されていたであろう。

さて、この焼き肉のタレであるが、大瓶を買ったはいいがなかなか使い切らずに賞味期限が迫っている。冷蔵庫のホワイトボードには旦那の字で大きく「焼き肉のタレを使おう!」と書いてある。

こうなったのには経緯があるのだが、ここまで書いてきてさすがに長文すぎると感じたので、続きは次回書く事にする。