個人的村上春樹Best10 第3位  | [A] Across The Universe

個人的村上春樹Best10 第3位 

個人的村上春樹Best10 
いよいよBest3。

といっても個人的だけど。








第3位は









「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド 」









とにかくものすごいパラレルワールド。


まず、「ハードボイルド・ワンダーランド」。

首都東京の地下では「やみくろ」が跋扈し、計算士と記号士がお互いにしのぎをけずる。
計算士である主人公は、地下道の奥に住む博士から秘密の依頼を受けて徐々にトラブルに巻き込まれていく。


そしてもうひとつのストーリー「世界の終わり」。

高い壁で周囲を覆われている、とある街。
そこには争いも、悲しみも、欲望さえも存在しない静かで完璧に完結した街だった。
主人公は両目に「夢読み」としての刻印を入れられ、図書館で毎夜一角獣の頭骨から淡々と古い夢を読むのが仕事だった。


このまったく繋がりがないかのような二つのストーリーが交互に展開していく。

「ハードボイルド・ワンダーランド」で、博士から一角獣の頭骨をお土産にもらった主人公は、その頭骨を調べた時から図書館に勤める女の子と親しくなる。

「世界の終わり」で、図書館で一角獣の頭骨から夢を読む主人公は、そこで世話をしてくれる「心がない」女の子に好意を抱く。



一角獣。


図書館。



奇妙な接点を見せながら進行していく二つのストーリーは、終盤に驚くような展開をみせる。



「ハードボイルド・ワンダーランド」で、主人公が行なうシャフリング。
これは、頭の中で行なう暗号化だ。

シャフリングとは、記号士の脳の奥深くに暗号化に必要な手術を行なうことによって、記号士本人にも気づくことが出来ないうちに暗号化を行なうこと。

主人公はシャフリングの手術を受けると同時に、ひそかに主人公の意識の核を人為的に映像化したもうひとつの「意識の核」を脳内に組み込まれていた。


「世界の終わり」では、最初に「影」と身体を切り離された主人公は、自らの「影」から街の地図を描いて届けるように依頼される。

門番の警戒を潜り抜けて「影」に地図を届けた主人公は、街から抜け出す方法を「影」から知らされる。


こういう「とてつもない」独特の物語を書くことが出来るのは、やっぱり村上春樹しかいないのだ。

登場人物が困難な状況に陥っても、誰一人狼狽しない。

これだけの冒険物語を、心静かに読ませることが出来るのは彼しかいない。








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