ダンス・ダンス・ダンス / 村上春樹 | [A] Across The Universe

ダンス・ダンス・ダンス / 村上春樹

青春三部作の続編。
とは言え、「羊をめぐる冒険」との間には「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」、「ノルウェイの森」が挟まっており、6年の歳月が経っている。

予期せぬ方向に話は展開し、死んでしまった鼠との約束を果たして帰路についてから数年。
「僕」は素晴らしく綺麗な耳を持つ「キキ」を探して、あの「いるかホテル」を目指して札幌へ降り立つ。
羊男に追われるようにして消えた「キキ」はどこにいるのか。

たどり着いた「ドルフィンホテル」は以前とまったく異なる近代化された高層ホテルへと変貌を遂げていた。

「羊をめぐる冒険」において「僕」を誘う案内人は「キキ」だった。
そしてこの物語の案内人は13歳の女の子「ユキ」。
芸術家と作家を両親に持つ美貌の少女は、時に不思議な能力を見せる。

物語は彼女をキーとして、様々な人間関係と事実関係が交錯していく。


何の手がかりもつかめないまま日々は過ぎるが、ふとしたことから再び羊男に出会う。
そこで羊男が「僕」与えたアドバイスは

「とびっきり上手く踊ること」。
音楽が続くかぎり。

「僕」はステップを踏み始める、正確に、上手に。

奇妙なつながりを見せながら展開する話は、最後には意外な展開を見せる。
そして「僕」はひとまわりして再び「いるかホテル」のフロントで働くユミヨシさんの元へ帰っていく。

これだけの長編を最後まで淡々と、それなのに飽きもせずに一気に読ませる村上春樹のテクニックに驚嘆する。


私はこの本を読んでまだ飲んだことがなかったカクテル「ピナコラーダ」に憧れた。
今でもあのココナッツミルクの香りがするカクテルを飲むと、ハワイでの「僕」と「ユキ」の開放的なシーンを思い出す。




ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
売り上げランキング: 2450
おすすめ度の平均: 4.5
4 ~ 踊っていたのか、踊らされていたのか。80年代への問いかけ。 ~
3 「世界」の「闇」のコンパクトさに注目
5 ダンスステップを上手に踏むように、私たちもこの社会で生かされていることに気づきました!
5 目的に縛られた世界へ
5 読み物としては四部作の中で一番面白いと私は思う





ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
売り上げランキング: 2326
おすすめ度の平均: 4.5
4 ~ システムと死の狭間で、静かに現実と闘う物語。 ~
4 reading in other ways
5 羊男とは 結局 何だったのか?
5 この社会でどうやって生き残るか・・・
5 ハワイ、そしてピナ・コラーダ