個人的村上春樹Best10 第10位  | [A] Across The Universe

個人的村上春樹Best10 第10位 

ここ数年「読まなければいけない本」が積み上がっていくばかりで「読みたい本」を読む時間がなかった。

昨年は「読みたい本」を中心に読む年と決めて、最初に読み始めたのが村上春樹。

「1Q84」が出る年だったから、というのは本当に偶然の一致。

まずは「風の歌を聴け」から淡々と読み始めた。

で、村上作品は短編を含めてほとんど持っているので、自分はどの作品が「今」は好きなのだろうと思い立って考えたBest10。

Best10自体は比較的悩まなかったけど、10作品の中で順位をつけるのは難しかった。
ちなみに短編集も含む。


まずは第10位。


第10位は




「羊をめぐる冒険」




この作品から本当の意味での村上ワールドが始まった、と考えている。


青春3部作の完結編。

といってもこの後に「ダンス・ダンス・ダンス」が発表されて、結果として4部作になる物語の3作目。

始まりは前2作同様の雰囲気で淡々と静かにすすむ。

妻が他の男のところにシケこむことになって、離婚しても主人公の「僕」は動揺しない。
それが自分の知っている男だったとしても。

そして今度は双子ではなく(前作1974年のピンボールでは双子だった)、高級コールガールのバイトをしている耳モデルの女の子がガールフレンド。


いつものように静かに物語は流れていくのかと思いきや、ある日突然大物右翼の代理人と名乗る者が登場するところから話は転がりだす。

問題は、PRの仕事であるパンフレットに使用した羊の写真だった。
その写真は友人の鼠が旅先から送り、「人目につくように」してくれと頼まれた写真だった。

大物右翼の代理人は、「僕」にその羊の調査を命ずる。

従わなければ、生活をメチャメチャにすることくらい簡単だという脅しをつけて。


札束を渡され、猫の「いわし」を運転手に預けて、耳モデルのガールフレンドと一緒に札幌に飛び立つ。

ガールフレンドが選んだホテルはその名も「ドルフィン・ホテル」。
この「いるかホテル」からこの物語は加速度的に展開していく。


耳モデルのガールフレンド。

羊博士。

羊男。


独特の文体と雰囲気を残しつつ、まさしく「冒険」は続く。

読み終わった後もしばらく不思議な余韻が残る名作。

村上春樹の本領はこの作品から発揮される。





羊をめぐる冒険〈上〉 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
売り上げランキング: 3433
おすすめ度の平均: 4.0
5 良い作品です
4 初期三部作はノーベル賞の対象外?
5 羊を大地で追いかけて
3 青春はいつか終わるってことか
1 羊雲と鰯雲、サギとキザ





羊をめぐる冒険〈下〉 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
売り上げランキング: 3691
おすすめ度の平均: 4.0
5 鼠という存在の大きさ
5 踊る前
1 ハメられたのは主人公ではなくてあなた
4 失われた物語たち
4 生き生きと「死んでいる」世界、と、死んだように「生きている」世界