1973年のピンボール / 村上春樹 | [A] Across The Universe

1973年のピンボール / 村上春樹

「風の歌を聴け」に続く青春3部作の2作目。

村上春樹の小説は、最近の著作を読んで再び初期に戻ると、いつも新たな発見がある。

今回の「1973年のピンボール」には「直子」と「双子」が登場する。

直子は「ノルウェーの森」、そして「双子」は「ねじまき鳥クロニクル」に登場する。

そして今回の物語で、鼠と僕は同じ時代を生きながら、最後まで会わず、言葉も交わさない。
それぞれが、それぞれの人生を淡々と歩んでいく。
そう、まさしく淡々と。

この「僕」と「鼠」が交わらないまま並行的に進行していくストーリー形態は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に同じ。

僕は双子との奇妙で落ち着いた生活を淡々とこなし、配電盤の葬式に出かける。

鼠は女との生活を終わらせ、街を出る。

そして双子も最後には元の場所に帰る。


私が大好きな、ビートルズの「ラバーソウル」を残して。


初めて読んだときに感じる、癖のあるやや軽薄な雰囲気が漂う文章は、2度目、3度目と繰り返し読むたびに薄れて行き、そして新たな春樹ワールドへと読者を連れて行く。






1973年のピンボール (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
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