不運の薦め / 米長邦雄 | [A] Across The Universe

不運の薦め / 米長邦雄

米長氏、当時49歳11ヶ月。
王将、竜王、王位、棋聖、棋王を制覇したが、6度挑戦してもどうしても名人位だけは獲ることが出来なかった。

1993年、7度目の挑戦。
相手は中原名人。

3戦までは米長氏の連勝。

4戦の前、米長氏は若手の研究会に自ら赴き、後輩に教えを乞うた。


果たして4戦では検討していたのと同じ局面となる。

2日に及ぶ対局を制して米長氏は名人位を獲得し、史上最年長の名人が誕生した。

40代半ばでスランプに陥った米長氏は、率直に後輩に理由を尋ねてみた。
なんと自分の18番だと考えていた戦術は既に若手によって研究され尽くしていた。

そこから米長氏の復活が始まる。

自分の古い戦術は捨て、新しい戦術を身につけ始めるのである。
40代半ばから。

自宅の隣に道場を設けた米長氏は、若手棋士を集めて研究を始める。

そのメンバーがすごい。
当時20代の谷川浩司、10代の羽生善治、森内俊之など蒼々たる面子が集まり研究を重ねる。
この道場が名人獲得の原動力となった。

20歳も下の若者に率直に教えを乞う姿勢。
地位や肩書きが邪魔をして普通は出来ないことだ。
それを平然と出来るかどうかの違いが、凡人と名人の差となる


かつて大山康晴15世永世名人は、「どういう局面で長考するのですか?」と問われ、「うまくいきすぎている時です」と言下に答えた。



「不運とは、実は幸福の根源なのです。考え一つで幸運に変えることが出来るのです」
私がこう言うのは、そうした経験をいくつも積み、不運の時期を切り抜ければ幸せになれると確信を抱いたからだ。幸せも、不幸せも、川の流れのごとく動いているのである。






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