子々孫々に語り継ぎたい日本の歴史 / 中条高徳・渡辺昇一 | [A] Across The Universe

子々孫々に語り継ぎたい日本の歴史 / 中条高徳・渡辺昇一

月刊致知の読者であれば、レギュラー執筆陣としておなじみのお二人。
中条高徳先生、渡辺昇一先生。

本来の意味での「愛国心」をお持ちの二人が、日本の歴史について対談をするとどうなるか。
近代史を学校で教わって来なかった我々の世代に、日本とは素晴らしい国なのだと認識させてくれる、素晴らしい本が出来上がる。

敗戦、講和条約、東京裁判、靖国。
様々なテーマにわたって、二人の話はまさしく快刀乱麻。
なるほど、そういうことだったのかと膝を打つ内容が端から端までぎっしり詰まっている。

特にA級、BC級戦犯とは刑の重さによる区分ではなく、あくまで職務上の区分であったことなどは、ほとんどの方は知らないのではないだろうか。

昭和27年の国会においては、社会党の代議士により請願書が出され、戦争犯罪人は赦免されている。
ご遺族には恩給も支給されている。
よって日本国内においては、戦犯はその時点から既に存在しない。
故に、A級戦犯ながら大臣になった方もおられる。
そして、サンフランシスコ講和条約の第11条では戦犯に対し「この判決に関係する国一つないし二つの国が日本政府の申し出にOKと言えば赦免しても良い」とはっきり書いてある。
当時、12カ国が同意した以上、国際的にも戦犯は既に存在しない。
では昨今の靖国に絡んだA級戦犯騒動は何なのだろう。

今では、GHQが巧妙に日本の加害者意識を植え付けてきたことが明らかになりつつある。
たとえば、こんなことまでしている。
A級戦犯を捕縛した日は、昭和天皇の誕生日。
東京裁判の軍事法廷は陸軍士官学校の講堂。
A級戦犯の刑を執行したのは、今上天皇の誕生日。
日本人に対するダメージを周到にはかっていた。


GHQが統制を行った内容の一部。

・GHQが日本国憲法を寄贈したことを一切論じてはならない。

・日本政府があくまでも自身で起草したのだという建前で、占領軍が押し付けた新憲法草案を発表するよう、GHQより強制されたものではなく、両院でこれを審議させたものとする。

・大東亜戦争が避けることの出来なかった自存自衛のための戦争であったというふうに、日本の戦争遂行を弁護してはならない。

・大東亜戦争という呼称をしてはならない。



先日の致知読者の集いで、米長邦男先生がおっしゃっていた。

全て善の人もいなければ、全て悪の人もいない。
いいところもあれば、悪いところもあるのが人間。

昨今話題になっているように、いたずらに美化することは許されないが、かといって当時の日本人が極悪人だったわけではない。
いつになったら冷静に振り返ることが出来るようになるのだろう。



子々孫々に語りつぎたい日本の歴史
中条 高徳 渡部 昇一
致知出版社
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5 真実の歴史
5 内容はいいけど。タイトルが…
5 進歩的文化人に読んでもらって反論を聞きたい!
5 子々孫々に語りつぎたい日本の歴史が語られています
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