たんぽぽの仲間たち / 山元加津子 | [A] Across The Universe

たんぽぽの仲間たち / 山元加津子

この本は、かっこちゃん先生の講演会で購入した。
会場ではどの本もものすごい売れ行きで、あまり選択の余地がなかったのだが、この本は選ばれるべくして私の手元にやってきたのだと思う。

かっこちゃん先生と仲間たちの心のふれあいが濃縮して詰まっている。
大ちゃん、きいちゃん、吉川くん、一樹くん、みんな素敵だ。
みんなまっすぐで、正直で、素直で、やさしくて、裏切らなくて、純粋で。
どう考えても私の方がおかしな生き方や考え方をしている。

「1/4の奇跡」の映画にも出てくる「大ちゃんの話」は、この本でも味わうことができる。
大ちゃんの絵に描かれる人は、みんなまつげが長くて、やさしそうで、手が大きくて、みんなを包み込んでくれるような朗らかさを見るものに感じさせる。
そして、大ちゃんが書く詩もハートに直接語りかける。

でも中には、「こんなにうまく詩を書くのは、大人が手伝っているに違いない」と中傷してくる人もいるのだそうだ。
あまりに悲しくてかっこちゃん先生はそのことを大ちゃんに伝えてしまう。
すると、大ちゃんは少し考えて、

「朝顔のたねは黒いけど、青い花がさく、赤い花がさく。だからぼくは詩をつくる」

と言ったのだそうだ。
見かけにこだわるな、ということを言いたかったのか、それとも、誰にでも赤くされた才能はある、と言いたかったのか。


また、かっこちゃん先生に子供が生まれた後、一生懸命離乳食を作るのだが子供が怒って食べてくれずに途方に暮れてしまう。
そして、かっこちゃん先生は養護学校にいる吉川くんに相談に行く。
当時、入学に適当な学校がない場合、「就学猶予」といって自宅で生活し、学校に行けない子供たちがたくさんいたのだと言う。
現在では養護学校が充実しているが、吉川くんは就学猶予だったために、養護学校に通っているとはいえ、年齢はかっこちゃん先生に近かった。
先生が相談すると、吉川くんは「ちゃんと子供の気持ちを聞いとるんか」と言う。
「どういうこと?気持ちって何?生まれたばかりの子供でも何か考えているの?」と聞き返すと、
吉川くんは「きっと先に食べたいものとか、食べ方とかいろいろあるんだよ」と当たり前のように答えた。

家に帰ったかっこちゃん先生は、用意した離乳食を一列に並べて子供の目を見ながら食べさせると、笑顔を食べ始めた。


この本を読むと、かっこちゃん先生が本当に生徒の気持ちを思って、一人の人間として、また友達として何の気負いもなく接しているのだということがよくわかる。

講演会の後に読んでみて、ますます山元加津子先生のファンになった。








山元 加津子
たんぽぽの仲間たち