君と会えたから・・・ / 喜多川 泰 | [A] Across The Universe

君と会えたから・・・ / 喜多川 泰

賢者の書 の喜多川泰がつづる珠玉の人生哲学書。

父親が経営する書店の店番をしていた高校生のヨウスケ。
そこに一人の少女がある本を探して訪れるところから、夏の短い一週間の物語は始まる。

と書くと、今時流行りのいわゆる恋愛小説のような導入部分だが、さにあらず。

ハルカは父親から習った、という人生哲学をヨウスケに惜しみなく伝えていく。
折り紙の飛行機を渡しながら。

メモ、飛行機、財布・・・
様々な小物が物語の中で輝きを放ちだす。


そして、誰もが涙するに違いないと私は思う。

人生哲学の類いを敬遠している方にこそお勧めしたい。
こんな作家を待っていた。



「『素直に勝る天才はなし』って言うものね」

「それを言うなら『努力』だろ?」

「これから成功を収めようと思って頑張る人は『努力に勝る天才はなし』といって自分を勇気づけようとするみたいだけど、実際に成功を手に入れた人とか、人を指導する立場にある人は『努力』じゃなくて『素直に勝る天才はなし』というほうがしっくりくるみたいよ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「考えれば考えるほど、一つのチーズバーガーを作るのもたいへんなんだね」

「でもあなたは今、そのたいへんな作業の集合体であるチーズバーガーを実際に手に持って口にしている」

「なるほど。なんだかとってもありがたいことに思えてきた」

「これを作るのに関わった人一人ひとりにありがとうって言わなきゃいけない気がしてこない?」

(中略)

「でも、実際には、一人ひとりに会ってありがとうを言うことは出来ない。そこで代わりに、いちばん最後にあなたに届けてくれる人に、まとめてお金を払ったってわけなの」







喜多川 泰
君と会えたから・・・