ココロでわかると必ず人は伸びる / 木下晴弘 | [A] Across The Universe

ココロでわかると必ず人は伸びる / 木下晴弘

関西の某有名進学塾講師だった著者による教育法。
現在著者は、生徒ではなく先生に対して指導方法を「指導」している。

彼が繰り出す話術は、「テクニック」だとわかっていながら、電車で読んでいると涙が出てくる。
教育(指導方法)の根幹は、「感動」なのである。
感動を生み出すことによって、生徒・親のモチベーションをいかに高めるか、維持するかが重要なのだ。


たとえば子供にやる気がない場合の三者面談での実話。

「もしもね、ここに腹を空かせて獲物を探しているライオンが、突然入ってきたと考えてほしい」
ライオンは小さくて弱い相手を狙う、と説明して、

「じゃあ、ここで真っ先に狙われるのは誰かな」

「僕です」

「確かに、お前が食われるよな。悪いけど先生は君を守ってやれないと思う。ごめんな。気を悪くするなよ。先生にも自分の家族とか守るものがあるから、ひょっとしたら君がライオンに食われている隙に先生は逃げていくかもしれない。でもこのなかに、一人だけ、ライオンの前に立って自分の体を投げ出して内蔵をかじらせ、今のうちに逃げなさい! と君に言ってくれる人がいる。誰かわかるか」

「お母さん」

「お前も最初は赤ちゃんやった。歩けないよな。その歩けない赤ちゃんでも移動せなあかんよな。そういうとき、お母さんはどうしてきたと思う。ちっちゃいお前を抱きかかえて動いたんや。お前はその感覚、覚えてないんか」


お母さんは感動してボロボロ泣く。
それを見て子供も泣く。
これで少なくとも一週間は、子供がまじめに勉強に励むという。


本当の教育とはテクニックの伝授ではなく、子供の心を揺さぶることなのかもしれない。
うまく揺さぶってやると、自ずと子供はその方向に向いていく。





木下 晴弘
ココロでわかると必ず人は伸びる