輝いて生きる知恵 / 松原泰道
明治40年生まれ。龍源寺住職の後、現在「南無の会」会長。
やはり真摯に生きてこられた方の語りは心に響くものがあり、かつその優しい語り口に心を打たれるものがある。ひとつの道、それも仏教の道を歩まれてきた方だけに、両手を合わせながら読みたくなる内容である。
般若心経についても理解のきっかけを与えてくださる。
しかし、特に感銘を覚えたのが食事訓である。
一には、功の多少を計り、彼の来所を量る。
二には、己が徳行の全缺(ぜんけつ)をはかって、供に應ず。
三には、心を防ぎ過(とが)を離るるは、貧等(とんとう)を宗とす。
四には、正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんが為なり。
五には、成道(じょうどう)の為の故に、今、此の食(じき)を受く。
二番目では、人の役に立つことをどれだけやっているかを確かめて、それが満たされていれば、初めて食事をとることができるのだ、ということを意味している。
これに関してこんなエピソードを紹介されている。
今は亡き歴史学者の樋口清之先生が大正時代、小学生の頃の話。
家業が「木こり」の友達が、間違えて父親の弁当を学校に持ってきた。貧しい時代、その友達は父親の弁当にはご飯がたくさん入っているだろうと期待して弁当箱のふた開ける。
しかし、その友達は「あっ」と叫ぶ。
お父さんのご飯の量は、いつもの自分の弁当よりも少なかったのだ。
友達は、いつもより念を入れて一粒の米も残すまいと弁当を綺麗に食べた。
その夜、お父さんが帰ってきた。
「お前、俺の弁当間違えて持っていっただろう。おなか空いたんじゃないか」
お父さんはご飯のとき、自分のお茶碗から彼のお茶碗にご飯を分けてくれた。
親としてかくあるべし、と思いを新たにした。

松原 泰道
輝いて生きる知恵―95歳「生き方名人」が贈るあなたへのメッセージ
やはり真摯に生きてこられた方の語りは心に響くものがあり、かつその優しい語り口に心を打たれるものがある。ひとつの道、それも仏教の道を歩まれてきた方だけに、両手を合わせながら読みたくなる内容である。
般若心経についても理解のきっかけを与えてくださる。
しかし、特に感銘を覚えたのが食事訓である。
一には、功の多少を計り、彼の来所を量る。
二には、己が徳行の全缺(ぜんけつ)をはかって、供に應ず。
三には、心を防ぎ過(とが)を離るるは、貧等(とんとう)を宗とす。
四には、正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんが為なり。
五には、成道(じょうどう)の為の故に、今、此の食(じき)を受く。
二番目では、人の役に立つことをどれだけやっているかを確かめて、それが満たされていれば、初めて食事をとることができるのだ、ということを意味している。
これに関してこんなエピソードを紹介されている。
今は亡き歴史学者の樋口清之先生が大正時代、小学生の頃の話。
家業が「木こり」の友達が、間違えて父親の弁当を学校に持ってきた。貧しい時代、その友達は父親の弁当にはご飯がたくさん入っているだろうと期待して弁当箱のふた開ける。
しかし、その友達は「あっ」と叫ぶ。
お父さんのご飯の量は、いつもの自分の弁当よりも少なかったのだ。
友達は、いつもより念を入れて一粒の米も残すまいと弁当を綺麗に食べた。
その夜、お父さんが帰ってきた。
「お前、俺の弁当間違えて持っていっただろう。おなか空いたんじゃないか」
お父さんはご飯のとき、自分のお茶碗から彼のお茶碗にご飯を分けてくれた。
親としてかくあるべし、と思いを新たにした。

松原 泰道
輝いて生きる知恵―95歳「生き方名人」が贈るあなたへのメッセージ