下坐に生きる / 神渡良平 | [A] Across The Universe

下坐に生きる / 神渡良平

著者自身が人生を生き抜かれてきた中で、心に響いた先哲の教えをまとめた本。
よって著者の叫び、というよりも著者の心に残った名言集といった方が正しいのだろう。

しかし、侮るなかれ。
取り上げるエピソードは心に残るものばかり。
中村天風、安岡正篤、マザー・テレサ。


なかでも特に心に残ったエピソード。


しゃぼん玉飛んだ
屋根まで飛んだ
屋根まで飛んで
こわれて消えた

しゃぼん玉消えた
飛ばずに消えた
生まれてすぐに
こわれて消えた

風、風吹くな
しゃぼん玉飛ばそ


誰もが知っている野口雨情のこの童謡。
二歳にならずに娘さんを亡くした後に書かれたものなのだと言う。
事情を知ってから歌詞を読むと全く違った意味を感じ取れる。
「風風吹くな」
の部分では胸がつまるようだ。

お父さんは頑張ってるよ、と再び作詞に力を入れ、「七つの子」、「青い目の人形」、「十五夜お月さん」などの名作を残すことになる。

悲しみ、苦しみの底からしか、本当の光は見えてこないものなのだろうか。





神渡 良平
下坐に生きる―先哲に学ぶ人生の知恵