新たな一歩 | [A] Across The Universe

新たな一歩

サラリーマンが部署を異動する、あるいは転勤するということは一種の転職だ。

私の仕事は専門性が高いので、会社を替わってでも同じ仕事を何十年も続けていくのが普通の業種である。私も現在の仕事の担当となって10年以上が経っていた。そして、マンネリ気味と同時に著しく向上心も欠如してきていた。同じ仕事を担当していれば惰性で仕事は何とかなる。そしてコツが分かっているので新鮮味もなくなってきていた。そして、昨年頃から漠然と部署の異動をしても良いなと思い始めていた。
普通であれば部署の異動などない。一から仕事を覚えなければならないからだ。
それも所謂一人前になるには最低3年はかかると言われているこの世界。こんないい年した新人を迎えるくらいなら経験者を採用するのが普通である。鬱々とした気持ちを抱えながらも、チャンスはないものと諦めていた。

ところが、3月末まで数日を残したある日、大ボスに別室に呼ばれる。
何か悪い話だろうと身構えると、なんと異動の打診だった。
ありえないことだが、裏では複数の要因が重なった上での打診。
それもかなりチャレンジングな部署である。
今まで培ってきた経験があまり生かされない部署。
しかし、うだうだとボスと話しつつ時間を延ばしながらも、自分の気持ちはとっくに異動を受け入れることに決まっていた。


思考は現実化する


そして、4月から全く違った仕事をすることになった。
朝早い、夜遅い。おまけに強烈なプレッシャー。
覚えなければいけないことが山ほどあって、昼飯さえゆっくり食べられない。
自分で決めておきながら後悔することもたまにあるが、以前の環境にいるよりも10年後の自分は間違いなく輝いていると断言できる。
チャンスの女神の前髪をしっかり掴んだ。

しばらく忙しい日々が続くだろう。

今また新しいステージへの階段を上る新たな一歩を踏み出した。