包帯クラブ / 天童荒太
天童荒太、6年ぶりの書き下ろし。
なぜか単行本でもなく、文庫本でもなく、ちくまプリマー新書からの刊行。
好きな作家は少なからずいる。
尊敬している作家もいる。
しかし、信頼できる作家の数はそう多くはない。
天童荒太は、私の中でそんな「信頼できる」作家の中の一人だ。
この人はどうしてこんなにも人の心の痛みがわかるのか。
おそらく、彼自身が物語の中の登場人物になって書いて行くからなのだろう。
そして、心の奥深くの痛み、苦しみ、喜びを我が物として感じるという作業を必要とするがゆえに、寡作なのだろう。
ある精密機器の製造で有名な地方の高校生の話。
彼らは心の傷がある場所に包帯を巻いていく。
その情景がとても鮮やかだ。美しい。
ディノは過去に同級生にひどいことを言ってしまったと後悔する。
しかし、ワラは「ありふれた思い出だ」と切って捨てる。
ディノは言う
「あ。それ言っていいの。だれだって経験するから、傷つかないわけじゃないぜ。育った環境も性格も違うんだから、経験が似てても、受ける傷の度合いは違うはずだろ。」
そう、最近自分の目線でしか物事を考えて、話してしまっていないか。
子どもの目線に降りていって話をしているか。
相手の立場に立って話をしているか。
みんな違って、みんなどこか傷ついて、みんなそれぞれ愛されたいと願っているんだ。
大切なことを思い出させてくれる、天童荒太の素晴らしい力量に拍手を贈る。
ありがとう。
なぜか単行本でもなく、文庫本でもなく、ちくまプリマー新書からの刊行。
好きな作家は少なからずいる。
尊敬している作家もいる。
しかし、信頼できる作家の数はそう多くはない。
天童荒太は、私の中でそんな「信頼できる」作家の中の一人だ。
この人はどうしてこんなにも人の心の痛みがわかるのか。
おそらく、彼自身が物語の中の登場人物になって書いて行くからなのだろう。
そして、心の奥深くの痛み、苦しみ、喜びを我が物として感じるという作業を必要とするがゆえに、寡作なのだろう。
ある精密機器の製造で有名な地方の高校生の話。
彼らは心の傷がある場所に包帯を巻いていく。
その情景がとても鮮やかだ。美しい。
ディノは過去に同級生にひどいことを言ってしまったと後悔する。
しかし、ワラは「ありふれた思い出だ」と切って捨てる。
ディノは言う
「あ。それ言っていいの。だれだって経験するから、傷つかないわけじゃないぜ。育った環境も性格も違うんだから、経験が似てても、受ける傷の度合いは違うはずだろ。」
そう、最近自分の目線でしか物事を考えて、話してしまっていないか。
子どもの目線に降りていって話をしているか。
相手の立場に立って話をしているか。
みんな違って、みんなどこか傷ついて、みんなそれぞれ愛されたいと願っているんだ。
大切なことを思い出させてくれる、天童荒太の素晴らしい力量に拍手を贈る。
ありがとう。
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- 包帯クラブ The Bandage Club