生きよう今日も喜んで 平澤興語録 | [A] Across The Universe

生きよう今日も喜んで 平澤興語録

先日読んで非常に感銘を受けた本、「現代の覚者たち」 で取り上げられていた平澤興先生。
神経解剖学の世界的権威で、元京大総長だったが平成元年に亡くなった。
その平澤先生に心酔し、先生の言葉を書き溜めておられたのがコスモ証券元副社長の故豊田良平氏。その豊田氏のレジュメを本にして出版したのがこの本だ。

珠玉の言葉の数々に、心が真っ直ぐになるのを感じる。


「生きるかぎり成長することです。それは、あらゆるものに手を合わせて、拝んでゆくことです。」

「人物の四つの型について言うと、
一つは、やせ我慢をして文句を言わぬ人。
二つは、素直に考えて文句を言わぬ人。
三つには、ありがたさを自分で見つけて自分で考え直して文句を言わぬ人。
四つには、何を言われても拝んでゆける人。
こんな人こそまさに大愚に似たりで、こうなればそれは達人の心境であり、対した者である。

「不幸は人間を苦しめると言うが、よく考えてみると、人間を苦しめるのは不幸そのものではなく、不幸だと思うその考え方自体である。」

「欠点を直せと言うよりも、長所をのばしなさい。
長所と言えども癖である。この方の癖を伸ばせば、悪い癖もその大きさの中に隠れてしまう。大木も小さい時は曲がっていても、大木になればまっすぐになるようなものである。そしてかくれた癖は時に応じてその人の味わいとなり花となって、その人に芸術味を与えることとなる。

「本当の教育は説教ではない。」

「楽しんで自分の話を聞いてくれる人を傍に持つことは、世の中でまことに有難いことの一つである。そういう人を友人に持てば、まことに人生は楽しい。」


含蓄に冨み、それでいて温かい平澤先生のお言葉。
ご存命の時にお話を伺いたかったと思うが、こうして数々のお言葉を今でも読むことができるのは幸せだ。

あとがきを豊田氏が書かれているが、豊田氏が平澤先生から聞いた最後の言葉が、
「人生は、にこにこ顔で命がけ。」
だったという。

にこにこ顔で命がけ。
短い中に穏やかさと厳しさを持つ素晴らしい言葉ではないか。

平沢 興
生きよう今日も喜んで―平沢興語録