カリスマ体育教師の常勝教育 / 原田隆史 | [A] Across The Universe

カリスマ体育教師の常勝教育 / 原田隆史

大阪、松虫中学で7年間陸上部の顧問として指導を行う。うち、13回の日本一を輩出。
態度教育を重視することから「生活指導の神様」とも呼ばれる人、原田先生。

理論だけではなく、実践が伴っていることにまず驚く。
そして実践のみならず、結果が伴っていることに感嘆する。なんといっても日本一だから。


かつての同僚が窮地に立っていると聞き、希望して赴任した松虫中学校。
そこは天王寺、飛田新地にも近く一目で「荒れている」のがわかる状態の中学校だった。赴任早々、忘れ物をした生徒に正座をさせた。「体罰だ」との批判から父兄につるし上げられる。しかし、数人の生徒から「辞めないで下さい」と頼まれ、その生徒達を陸上部に引き入れ指導を開始する。そこで三年後の山形での大会で日本一にできなかったら学校を辞める、と宣言する。生徒達に「それを紙に書いてください」と頼まれ、「これをみんなに見せて辞めさせないでというのだろう」と思いながら書くと、生徒達はそれを職員室に持って行き、こう言う。
「原田先生はこんなことを言っています。三年後日本一にならなければ辞めさせてください。」

こうして後のない状態から原田先生は指導を開始する。


成功哲学のドキュメンタリーのような話が展開されていく。



目標は書かせる。徹底的に書かせて、目に見えるところに貼っておく。そして潜在意識に叩き込む。

あるとき、優勝間違いないと思っていた生徒が三位の成績に終わる。靴のそろえ方を見るとつま先の部分が少しずれていた。カバンのチャックも数センチ閉まっていない。徹底的に態度指導を行った結果、その生徒は優勝する。技術的な指導を越える部分は、態度教育で補わなければならないことが実例で示される。
森信三先生の、返事、挨拶、靴そろえももちろん出てくる。鍵山先生の清掃活動、凡時徹底の話も出てくる。稲盛先生の全てやり尽くした後は「祈る」ことも出てくる。

そう、これだけやれば必ず結果は出る、と言う何よりもの証明だ。
やれば結果はついて来る。やらなければ意味がない。


原田先生は現在ではその手腕を買われ、企業研修も行っている。後半の一部では、原田先生が実際に関わった企業で使われている目標の立て方について触れられている。ユニクロ、ワタミで使われた目標シートが巻末に載っており、参考になる。
私もサラリーマンであり、年度始めには年間の目標を立てることになっている。その達成程度によってボーナスが変わってくる。しかし、市場を相手にする仕事なので内容が毎年単一的になりがちなのだ。来年度の目標は、もっと熱く書いてみるか。


成功哲学実践編、素晴らしい本だ。

惜しむらくは本のタイトル。
日経BPともあろう出版社がこれほどの内容の本に、今では薄っぺらい意味になった「カリスマ」などを使って欲しくなかった。原田先生は本物の「カリスマ」だからだ。
家庭、教育者、ビジネスマン、誰もが読んでみたいタイトルにして欲しかった。

原田先生、私はこれからあなたに注目することにした。


原田 隆史
カリスマ体育教師の常勝教育