マイルス・デイビス
帝王マイルス・デイビス。
ふと思い立って取り寄せて読んでみましたが、かなり面白かったです。
ジャズ好きなら鬼のように多い登場人物にも興味が湧くし、マイルスしか知らないジャズ嫌いの人でも「天才黒人アーティスト」の波乱万丈な生涯として読めるでしょう。
全体を通して底辺に絶えず流れている熱い黒人としてのプライド。
ジャズに限らず、真摯に音楽と向き合うその情熱。
その一方で音楽とは切っても切れない関係のドラッグ。
マイルス「でさえ」、人種差別を肌身に感じながら生きなければならなかったアメリカの状況にまず驚きます。それも80年代に入って以降でさえ。マイルスは余計に音楽に深く没頭していったのでしょう。
へぇーと思ったこと。
・マイルスがバラードを吹いてもビブラートがかからずに、きれいなストレートの吹き方をするのは、中学校時代にトランペットを教えてくれたブキャナン先生のアドバイスからだった。
・バード(チャーリー・パーカー)とディズ(ディジー・ガレスピー)はマイルスのアイドル的存在だった。
・コルトレーンはドラッグもやらず本当にマジメな暗いやつだった。
・セロニアス・モンクに付きまとって「Round Midnight」を教えてもらっていた。
・ビル・エバンスからはクラシックの影響を強く受けていた(特にラベルとラフマニノフ)。
・マイルスは「Kind of Blue」の「So What」と「All Blues」は失敗作だと感じていた。
・プリンスを大激賞。現代のデューク・エリントンとまで言っている。
・ウィントン・マルサリスが大嫌い。ウマいが、自分のスタイルを持たず、先人達への尊敬の念が欠如しているから。(そういえばウィントンは「日本人にジャズなんか理解できっこない」発言で物議をかもした事もあった)
彼が生きていた時代に彼の音楽に興味が持てなかったことを非常に残念に思いました。でも、遅まきながら彼の音楽に感銘を受けることが出来て幸せに思います。
ふと気が付くとジャズの中ではマイルスのアルバムが一番多くなってきました。エレキ・マイルス時代の作品は1枚も持っていないので、いずれ聞いてみようと思います。
いや、ほんとすごいな。マイルスって。
今宵もRound Midnightが聞きたくなってきた。
