礼の件 | [A] Across The Universe

礼の件

いよいよ佳境となってきた例の件について。
自分の考え方の備忘録として。

どうも、彼を応援する気持ちになれない。
普通であれば、古田選手会長対ナベツネみたいな場合、古田をもろ手を挙げて応援する。あの時は他の会社が買収するという選択肢があったにもかかわらず、オリックスとの合併を進めたため、ライブドアは名を上げたのだ。今回はどうだ。
今回も、一般的には守旧派日枝vsホリエモンみたいになっているが、私にとっては日枝氏や羽佐間氏は、オーナーの鹿内氏を解任した新しいフジサンケイの経営陣としてのイメージが残っているのだ。

私が彼を信頼できない理由は、礼儀にあるのではないかと考える。

まず服装。
スティーブ・ジョブズやマイケル・デルだってジーンズだろ?と思うかもしれない。しかし、ジョブズは巨象IBMに対抗するMacという革新的なPCを開発し、フリークの絶大な支持を得た。デルは高機能PCに対してシンプルな製品を量産した。ジョブズ、デルは若者、庶民にとって味方に映るのだ。だからジーンズをはいていた消費者は、「俺たちの代表だ」という消費者の思いが今でもあるのだ。おまけにジョブズはAppleにCEOとして復帰以降、報酬は年$1のままだ。今年も$1を継続したようだ。
ライブドアはどうだ。消費者に何を支持されているのだ、何を使っているのだ。海外の無料の製品を持ってきて、わざわざ有料化してユーザーを減らしているのは何なんだ。あなたは誰の味方ですか?千春やみゆきやタモリやたけし、隠れて聞いた鶴光、そうそうたる面子がやっていた受験生の友(今は知らないけど)オールナイト・ニッポンをやってるラジオ局をどうするつもりなのだ。

挨拶。
場外取引でいきなり30%以上の株式を買い付けた後で、話し合いたいと言う。そりゃあらかじめ先方に挨拶に行ってしまえば警戒されて、成功しないかもしれない。ただ、彼がやろうとしている事業がネットとの融合なら、ニッポン放送を買収する必要あるのか?提携だけではダメなのか?提携では多少思い通りにならないかも知れない。ただ、事前に交渉した上で埒があかず、その上での株式取得であれば世間は彼についたであろうに。

金。
金で全てのものが手に入ると公言して憚らない彼。
それが事実かどうか、それほどお金を持ったことがないので検証できない。ほとんどの人が検証できない。しかし、ほとんどの人が、人生はお金じゃないと信じている。私ももちろん信じている。これはある種の宗教なのだ。「お金では大切なものは手に入らない」とほとんどの人が刷り込まれているのだ。いや、そう願っている。だから、金が全てだ、という発言は倫理観にさえ反するのだ。



柔道、相撲、華道、茶道、教育、生活。

日本は礼に始まって礼に終わる美しい国である。